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入院機能残して−東郷病院

本紙掲載日:2020-05-29
1面
十屋市長=右=に要望書を手渡す田辺会長(28日)

元町長ら「病院を守る会」−日向市長、議長に要望書

 医師不足で入院患者の受け入れを休止している日向市立東郷病院(30床)について、旧東郷町の元三役と元町議でつくる「日向市立東郷病院を守る会」(田辺伊三郎会長、15人)が28日、同病院を有床(入院設備のある)医療機関として継続することを求める要望書を十屋幸平市長と黒木高広市議会議長へそれぞれ提出した。

 入院機能を残すように求める要望書は、地元住民代表の東郷区長会(寺原政志会長、全10区)が今月13日、十屋市長と黒木議長へ届けたばかり。十屋市長は6月5日に開会する市議会6月定例会の中で市の方針を示すことにしている。

 市役所には小林理教元町長(88)、山本一正元助役(84)、畝原孝徳元収入役(81)や、田辺会長(77)をはじめとする元町議のメンバーや東郷地域選出の市議ら合わせて10人が訪問した。

 田辺会長は、2006年に日向市と東郷町が合併する際、合併協定書に「地域医療の中心医療機関として存続する」と明記されていることを指摘。「無床診療所化は到底容認できない。市の公立病院としての位置付けからも、有床の医療機関として存続いただきたい」と述べ、要望書を手渡した。

 意見交換では、「唯一の公立病院。市として持続させるべきだ」「無床診療化は、あまりにも東郷町域の人たちをおろそかにしている」「旧町有林の収益を、病院経営に補充して存続してほしい」など有床を望む声が相次いだ。

◆存続は昔からの思い−元町長

 十屋市長は医師確保の難しさや、国の交付税を含めても赤字が解消できない厳しい財政事情を指摘。「東郷地域の皆さん方が安心して持続的に医療を受けられるために、交通手段の確保をはじめ、訪問看護、救急医療体制、医療機器の充実を図り、かかりつけ医として成り立つような形を考えていきたい」などと述べ、理解を求めた。

 小林元町長は「東郷病院を、町民の命を守る施設として存続させることが昔からの一致した思い。『病院がなくなったら大変だ』とみんなが考えている。町民の強い思いを伝えられたと思う」と話した。

 同病院については、市の在り方検討委員会(委員長・渡邊康久市社会福祉協議会会長)が3月30日、医師確保の困難性や財政負担を理由に、「無床(入院設備のない)診療所として運営を継続することが適切」とする検討結果を十屋市長に報告。

 日向市議会は4月9日、同病院の在り方について、「持続可能な医療機関として医療収支改善に努め、市民負担となる一般会計からの繰入額の早期減殺を図る」「医療施設の整備、医療機器の充実について市民の声や財政状況を勘案して早急に検討する」「交通弱者の通院などを考慮し対策を講じる」などを提言。入院再開については議員間の賛否が分かれたため盛り込まなかった。

 同病院は医師の退職が相次ぎ、2015年7月から入院患者の受け入れや平日時間外・休日の診療を休止。18年4月に再開したものの、昨年5月には常勤医が整形外科医1人体制となり、同8月から内科診療とともに入院、救急患者の受け入れを再休止した。今年4月1日から内科専門医が着任し、常勤医が2人体制となったが、入院受け入れなどの休止は継続中。

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