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おうちdeタパス作りませんか(6)

本紙掲載日:2020-05-16
7面

コラボで生まれた延岡の美味

◆生産者・瀧口景子さん×料理人・柳田真嗣さん

「ブロッコリーとエビのブルスケッタ」

◆イタリアの軽食として親しまれているブルスケッタをカレー風味にアレンジした、大人から子どもまで食べやすい、手軽に作れる一品です

◆生産者と対話し食材調達

 地元の食材をふんだんに使った料理をビュッフェ形式で楽しめるエンシティホテル延岡の「食彩健美一木一草延岡」=延岡市紺屋町=。2018年9月のグランドオープン時からチーフを務めるのが、柳田真嗣さん(47)だ。

 延岡学園高校調理科を卒業後、東京のレストラン「紅花」に7年ほど勤めた。帰郷後、オープン間もない「ホテルメリージュ延岡」(現エンシティ)に入社。20年近く洋食を担当した。

 料理人の道を志したのは中学生の頃。給食がない土曜授業の日は、共働きの両親に代わって、長男の柳田さんが弟や妹のために昼食を作った。「下手だけど一生懸命作ると『おいしい』と喜んでくれた。それがうれしかった」。その経験が今に生きる。

 一木一草延岡のオープンと同時に、初めてチーフという立場になった。今は、本社からアドバイスを受けながら店を運営する。「いい勉強になっている」と実感しつつ、責任も感じている。

 「一木一草」は地元の食材を使うことをコンセプトにしており、ほとんどが県内産。その調達のため、生産者を回ることも欠かさない。

 「実際に足を運び、生産者と顔を合わせて話すと、思いが伝わる」。同じ食材でも、生産者がそれぞれこだわって作っているため、味が違うという。

 日々のレストラン営業の合間に、時間を見つけて農家を回る。「最初は難しい部分が大きいかなと思っていた。でも農家に行って、実際に会話が始まると、話もたくさんできる」と、多忙な中にも手応えをつかんでいる。

 昨年、レストランが実施した「地域フェア」では、食材を作った農家の写真を店に飾った。食べに来たお客さんが「あ、知ってる」と喜び、会話のきっかけになったという。

 「生産者の状況を知った上でやり取りしていかないといけない。知っているのと知らないのでは全然違うと思う」

 ホテルへの納入というとどうしても「量が必要」と思われがちだ。農家を回ると、「そんなにたくさん作れないから」と、ためらう人も多いという。

 だが実際は量にはこだわっていない。例えば、当日取れた野菜であれば「きょう取れの野菜を使った…」といった紹介の仕方をするなど、生産者に寄り添えるよう、工夫している。

 「おうちdeタパス」料理教室のレシピは、「おしゃれに、かつ簡単に」を意識。旬のブロッコリーを食材に選び、コリコリ食感を生かし、プリプリ食感のエビと組み合わせた。カレー風味に仕上げたのは、エビ特有の臭みを消すためだ。すぐに手に入る材料を選んだため「急な来客時も、材料さえそろえれば、すぐにできる」と話す。

 今後も地元の食材をたくさん使いたいと考えている。「地域フェア」の時は、食材を作った生産者自身が食べに来てくれて、会話が弾むなどうれしい交流があった。「地域にはまだ食材がいっぱいあると思う。生産者の皆さんにも、ぜひ食べに来てもらえれば」と話した。

◆同じ野菜でも味が違う(生産者・瀧口景子さん)

 「楽しいよ。自分の作った野菜をお客さんが買ってくださるというのは。『おいしい』っていう言葉を頂くと、もうそれが最高」。そう話すのは、雄大な行縢山が見える土地で、ブロッコリー、タケノコ、スイートコーン、オクラ、ピーマンなど数多くの野菜を育てる瀧口景子さん(68)延岡市行縢町。

 「農業は大変」と思われることも多い中、「農業が好き。好きじゃないとできない」と笑う。

 農家に生まれ、豊かな自然に囲まれて育った。高校も門川農業高校に進み、卒業後、市内で働いていた時も、スナックを経営していた時も、両親を手伝って畑に出た。

 本格的に農業を始めたのは2002年から。ちょうどその頃、「Aコープ桜ケ丘店」に「直売コーナー」ができた。誘われて商品を出したのが最初だった。立ち上げ当初から関わる「JA延岡産直農産物生産者運営協議会」では会長を務める。

 毎朝4時ごろに家を出て、「マックスバリュ」「ふるさと市場」など複数の直売所を回る。各店では自分の野菜を並べてから、会長として売り場全体を見回る。「品物は3日しか置けない」という産直の決まりがあるため、期間を過ぎた商品は取り除く。「お客さんの立場に立つと、しぼんだり、でれっとしている野菜があったら気持ちが良くない。新鮮な物が置いてあれば買いたくなる」

 帰宅後に野菜を収穫し、午後から選別する。袋詰めして保冷庫で保管し、翌日の出荷に備える。毎日この作業の繰り返し。合間に苗を育てたり、植え付けを行ったりと、多忙な日々だ。

 肥料にこだわり、さまざまな物を試した。長年の経験で、「一番うま味が増す」と実感した物を使用している。こだわれば費用は掛かるが、「お客さんがいて、リピーターになっていただけると、それが一番」。

 「おいしく育ってね、元気に育ってね」と、野菜への声掛けも欠かさない。草が生えたら一つ一つ丁寧に抜き取り、なるべく虫が付かないよう工夫する。

 以前産直コーナーで、「全くブロッコリーを食べなかった息子が、お宅のブロッコリーを出したら『おいしい』って食べた。何が違うんでしょうか」と買い物客に聞かれたことは、うれしい思い出だ。

 ブロッコリーは夏に定植するもの、冬に定植するものがあり、10〜5月半ばまで収穫する。

 冬場はビニールなどをトンネル状にかけて寒さを防ぎ、暖かくなると日に当てて育てる。減農薬にこだわるが、「虫が付いていたら、お客さんが嫌がる」と、早めに予防するなどバランスを取りながら育てている。

 普段はさっとゆでたものにマヨネーズを付ける素朴な食べ方をしているため、柳田さんの作ったブルスケッタには「初めての味」と驚いた様子。

 瀧口さんお薦めのゆで方は、フライパンに水を張って沸騰させ、1〜1分半ほどゆでる。味を逃がさぬよう、水には通さない。コリコリ食感が楽しめる。

 「同じ野菜でも作り方で味が違う。そこも知ってほしいし、料理人に合った野菜があると思う。そういうことを見つけることも楽しみの一つではないか」と瀧口さん。「延岡の料理店では、延岡でできた野菜を使ってほしい」と話した。

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