「まんがのべおかの歴史物語」

延岡史談会−企画監修し発刊

◆漫画はしいや・みつのりさん−近く販売

　延岡史談会（後藤博文会長）は、延岡市の歴史や文化、郷土の偉人などを多くの人に知ってもらおうと、「まんがのべおかの歴史物語」（鉱脈社発行）を発刊した。同会が企画監修、漫画は同市出身で埼玉県在住の漫画家・しいやみつのり（椎屋光則）さんが担当した。近く県内書店などで販売する。税込み１１００円。

　「故郷延岡の歴史を漫画にすることで郷土に恩返ししたい」という椎屋さんの熱い思いを受けた同会が、地域の歴史・民俗の調査研究を通じて、歴史・文化都市延岡の文化の向上に寄与するという会活動の目的に照らし、延岡の歴史を体系的に可視化した漫画本の発行を決めた。

　本は約２２００冊を発行。このうち約１１００冊については県内書店や同会で販売するほか、図書館などに寄贈する。売れ行きによっては増刷も検討する。残る約１１００冊は市教育委員会が購入し、小学６年生に卒業記念品として贈呈した。

　後藤会長は「次代を担う延岡の子どもたちが郷土への誇りと愛着を持つきっかけとなり、延岡市民だけでなく広く多くの人々に延岡史を理解してもらえる一助になれば幸い」と話している。


◆旧石器時代から吉野さんまで−偉人、賢人など４８話

　Ａ５判の１４４ページ。３万年前の旧石器時代から旭化成名誉フェロー吉野彰氏のノーベル化学賞受賞（２０１９年）まで、各時代の延岡を象徴する歴史事項や偉人、賢人の話など４８話を取り上げ、１話見開き２〜４ページで紹介。年表や地図を添付し、歴史を立体的に理解できるようにしている。

▽第１章＝旧石器時代・縄文時代・弥生時代（数万年前〜）
▽第２章＝古墳時代・飛鳥時代・奈良時代・平安時代（３世紀中ごろ〜）
▽第３章＝鎌倉時代・南北朝時代・室町時代・戦国時代・安土桃山時代（１１８５年〜）
▽第４章＝江戸時代（１６０３年〜）
▽第５章＝明治時代・大正時代（１８６８年〜）
▽第６章＝昭和時代・平成時代・令和時代（１９２６年〜）。
「縄文海進と大貫貝塚」や「平安時代のまつりのべおか」「中世の有力者土持氏」「『城下町延岡の創建者』高橋元種」「岩熊井堰（いぜき）の開通家老藤江監物と郡奉行江尻喜多衛門」「西南戦争と城山の鐘」「若山牧水」「のべおか新興の母野口遵」「太平洋戦争と延岡大空襲」などの話を収めている。

◆延岡市教委に寄贈

　延岡史談会は２３日、延岡市立図書館と北方、北浦、北川の各分館に、同会が発行した「まんがのべおかの歴史物語」１０冊を蔵書として寄贈した。後藤会長らが市役所を訪れ、澤野幸司教育長に本を手渡した。

　教育長室で行われた贈呈式には後藤会長のほか、副会長の甲斐盛豊さん、甲斐典明さん、富山友子さん、事務局長の大石章一さんが訪れた。

　後藤会長は「漫画にすることで読みやすくなった。多くの皆さんに読んでほしい」とあいさつ。さらに「市民が延岡の歴史を学び、ふるさとへの愛着を一層持ってもらえる一助になることを願っている」と目録を読み、本を手渡した。

　澤野教育長は、同本を小学６年生に卒業記念品として贈ることなどに触れた上で、「子どもたちにとって中学で歴史を学んだり、延岡のことを学ぶ上で貴重なきっかけになる。子どもや市民のために活用したい」と謝辞を述べた。