「明確な情報がほしい」

身近な感染例に不安も県北の声

　県北部で新型コロナウイルス感染者が確認されたことを受けて、市民の間でもさまざまな声が聞かれた。感染拡大や経済への影響を不安に思う人もいれば、県の記者会見で公表された情報が少なかったことで「明確な情報がほしい」と訴える声もあった。

　「感染が身近に迫ってきたということだ」と話すのは、門川町で自動車販売会社を営む４０代男性。接客する場面も多いため「お客さまにうつすようなことになったら多大な迷惑を掛けてしまう。社内、社員の感染拡大防止を一層徹底したい」と気を引き締めた。

　高千穂町でバス会社を経営する６０代男性は「地元での感染拡大を心配している。さらにバス業界への影響が大きくなるのでは。お店の出入り口には消毒液を置いており、こうした対策を今後も続けていくしかない」と話した。

　経済への影響拡大を懸念する声も。日向市内のホテルによると、県内感染者が出る前からキャンセルが相次いでいるという。「より一層厳しくなると思う。マスク着用や室内の消毒など行っているが、キャンセルはどうしようもない。タクシーも動かず、夜の町も静かです」と早期の終息を願った。

　県の記者会見では、感染した２０代男性の行動歴や滞在地などが公表されなかったことも不安を駆り立てている様子。幼児２人を育てる３０代男性は「きょうの朝からすでにうわさが流れていた。信じてはいないが、不透明な情報はデマや混乱につながる。本人の意向の尊重は大切だが、命に関わる可能性があるので不安やデマを払しょくするためにも明確な情報がほしい」と話した。