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FMのべおか「医師会だより」第8回

本紙掲載日:2020-03-05
6面

大重明広さん(延岡市医師会理事)−地域医療の充実へ・延岡市医師会提供

◆「子どもロコモ」と運動過多−二極化が問題・学校医の仕事

−−延岡市医師会で学校保健を担当されていらっしゃる理事の大重明広先生にお話を伺います。早速ですが、学校保健についてご説明ください。

学校保健とは、子どもの心と体の健康を支えるための保健管理と、自分でも健康管理ができるようにする保健教育から成っています。

−−具体的にはどのような取り組みをされているのでしょうか。

主に学校医としての活動です。学校には必ず学校医が配置されています。私たち学校医の他に学校歯科医や学校薬剤師などさまざまな人たちが子どもたちの健康をサポートしています。

−−私も学校医の先生にはお世話になった記憶があります。そもそも学校医とは、どのようなお医者さんなのでしょうか。

学校での保健管理や、子どもの健康診断などを行う医師のことです。延岡市医師会からの推薦によって、会員を中心に約80人の医師がその役割を担っています。小児科や内科の先生だけではなくて、眼科、耳鼻科、外科、精神科、整形外科、産婦人科の先生もいらっしゃいます。

−−さまざまな診療科のお医者さんが携わっているのですね。具体的にはどのようなことをしていらっしゃるのですか。

健康診断が主な仕事となります。毎年、新学期が始まると学校に出向き、小・中・高校の全児童生徒を対象に春の健康診断を行います。幼稚園や大学にも行きます。

−−大変だなと感じることはありますか。

とにかく短い時間の中で、早く全ての診察項目を診なければならないことです。特に眼科や耳鼻科の先生は、少ない人数で対応しなければならないので、さらに大変だと思います。子どもたちの病歴などの情報を学校の先生方と事前に共有することを大切にしています。

−−情報共有は大切ですね。ちなみに、昔と今では子どもたちもいろいろ変わってきていると思いますが、いかがですか。

最近は社会環境や生活習慣が急激に変化していますので、体の問題だけではなくて心の問題も増えてきています。
いじめや校内暴力、不登校、性行動の逸脱なども問題ですし、アトピー性皮膚炎やぜんそく等のアレルギー疾患も増えています。さらに、麻疹・インフルエンザ等の感染症をいかに予防するかなど問題はたくさんあります。

−−子どもたちの変化に対して、学校保健も変わってきているところもあるのでしょうか。

健康診断の内容が見直され、2016(平成28)年度からは、意味のなかった座高の測定が削除され、成長曲線を活用するようになりましたし、寄生虫卵検査が削除されました。それと大きな変化としては、四肢の状態をチェックする「運動器検診」が始まりました。

−−通常の健康診断に加えて新たに始まったということですね。なぜ運動器検診をするようになったのですか。

運動器とは、体を動かすのに関係する骨、筋肉、関節、神経などのことです。運動不足の子と、運動過多の子の二極化が社会問題となっていまして、早期に運動器の病気を見つけるために取り入れられました。
片脚立ちが5秒以上できない子どもや、かかとを床に付けたまましゃがめない子ども等が増えており、このような、体が硬い、バランスが悪いなど、運動器機能の低下した状態を「子どもロコモ」と呼びます。

−−「ロコモ」はよく耳にする言葉ですね。

そうですね。高齢者の病気と思われがちですが、子どもの頃から運動器の健康に注意することで、将来のロコモティブシンドローム予防にもつながります。
運動器検診では、運動不足による体力の低下や、運動のし過ぎによるスポーツ障害を早く見つけて、姿勢の改善、ストレッチや運動などの適切な指導を、保護者と学校が一体となって行い、増えているけがや骨折を予防することを目的としています。
日ごろ、「運動不足かな?」と思っているのなら、まずは家族ぐるみでストレッチから始めてみるのはいかがでしょうか。「よい姿勢で、よく運動しよう!」。これで、〃健康な運動器〃という一生の財産を得ることができるのです。

−−学校での健診はそれ以外にもありますか。

子どもたちが小学校に入学する前の年の10〜11月ごろ就学時健康診断をします。この就学時健康診断では、体の健康状態を確認したり、定期の予防接種を受けているかどうかを確認したりしています。

−−安全な学校生活を送るためにも、一人一人の健康管理が重要ですね。

はい。学校において感染症の集団発生を予防するためには、就学前の定期予防接種は重要です。特に、麻疹、風疹の予防接種、いわゆるMRワクチンについては1歳になったら1回、小学校入学前の1年間にもう1回打たなくてはなりません。
そのため延岡市内の公立小学校では2018年度から保健師さんと協力して、就学時健康診断の機会に定期予防接種の受診勧奨の活動を始めました。おかげさまでMRワクチン受診率が上がりましたので、今後も積極的な受診勧奨を続けていきたいと思っています。
今年の春、小学校に入学するお子さんで、まだ予防接種が済んでいない場合は入学前にしっかり受けておきましょう。

−−健康診断以外の大重先生の活動を教えてください。

私は産婦人科医ですので、いろいろな学校で性教育授業を年に1回は行っています。内容は命の大切さ、妊娠、出産、避妊や緊急避妊、人工妊娠中絶、性行為感染症、デートDVやSNSを介した事件・事故など多岐にわたります。
また、子宮頸(けい)がんはHPVというウイルスが性交渉で感染して起こるので、性行為感染症の一つとして説明します。予防するワクチンもあります。

−−がんがワクチンで予防できるのですね。子宮頸がんを予防するワクチンとはどういったものでしょうか。

HPVワクチンは、子宮頸がんの原因のウイルスを予防するワクチンで、約7割の子宮頸がんが予防できます。6カ月の間に3回打ちます。
子宮頸がんは、日本では毎年約1万人の若い女性が発症して、毎年約3000人が亡くなっています。HPVワクチンは、公費で受けられる定期予防接種に指定されていますが、接種後に多様な症状が報告されたために、現在は積極的な接種は勧めないことになっています。このため、無料で受けられるのに受けていない女子がほとんどになっています。

−−大変なことですね。今後どうなっていきそうですか。

既に安全性に関するデータも蓄積され、接種が定着した諸外国では、日本のような多様な症状の増加は認められておらず、不安に思う症状に対する診療体制もできていますので、安心して接種できる環境は整っています。
私たちも正しい情報が本人と保護者に届くよう努力しなければならないと思っています。対象年齢は小学校6年生から高校1年生相当の女子となっています。接種期間が6カ月かかりますので、対象年齢内に打ち終わるように最寄りの医療機関を受診してください。

−−学校医の仕事は多岐にわたるということが分かりました。最後に延岡市民の皆さんへのメッセージをお願いいたします。

私たち学校医は、児童生徒の皆さんが健康的な学校生活を送れるよう努めていますが、そのためには学校・家庭・地域の方々との連携が不可欠です。皆さんには、学校医の存在を、より身近に感じていただければと思います。

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