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10月19日、稲川淳二の怪談ナイト−日向

本紙掲載日:2019-09-14
7面

心霊探訪で集めた破片がつながって、絵が見えてくるんです

 独特な口調で語る怪談家、稲川淳二さん(71)の「怪談ナイト」が10月19日午後4時から、日向市中町の同市文化交流センター大ホールで開かれる。27年目の今年は全国で48公演を予定しており、各地で完売続出の人気だが、日向市では初開催。9月2日、ツアーの合間に日向市を訪れ、怪談に対する思いを語った。

◇日向はいい町ですね

 日向市には何度も来ています。タレント時代に北海道から沖縄のその先まであちこち行っていて、「稲川さんが一番日本中行っているタレントだ」と言われたものです。日向は有名ですもん。普通のロケでも、自分が持っていたふるさとものの番組でも、恐怖ものでも来ましたし、プライベートで近鉄バファローズのキャンプを見に来たこともあります。
気候もよくて、いい町ですよね。でも意外と地元の人があまり宣伝したがらない。きっとこの土地は恵まれているから、慌てることがなかったんでしょう。おおらかな人柄なんじゃないかな。

◇舞台は大掛かり

 ミステリーナイトは一夜だけなので、その日に設営してその日のうちに撤収しなければならないので大変ですが、舞台は、プロデューサーが毎回すごいのを造ってくれます。昨年は2階建ての西洋館のセットでした。今年は日本の古民家のセットです。公演中に何度も不思議が起こるもんだから「稲川さん、あれ演出だったの?」なんて、怖いことを言われたりします。

 お客さまは、幅広い年齢層がいらっしゃいます。80代のおじいちゃんから自分の体験を原稿でもらった時は感動しましたね。そういう話を基に、調べに行ったりします。

◇話の破片を集める

 話を聞けばそのまま話せると誤解している方がいますが、そうじゃないんですよ。いつ頃のどういう状況の話なのか、話の前後を考えないと、ただ怖いだけの浅い話になっちゃう。だから足で稼いで、その土地の空気やにおいを知ることを大事にしています。そして話の破片を集めてまとめていく。だから、何十年もかかるものもあります。

 今年の演目で言うと、昔、終戦記念日にたまたまその記事が新聞に載っていたんです。事件でも何でもない。かつて戦争中に学徒動員された特攻隊を見送った女学生がいて、今は高齢となったその人が紹介されていました。なぜか感動した。心に残っていたその話が、今年まとまったのでお話しします。

 「遠野物語」で知られる民俗学者柳田国男さんの故郷に呼ばれて行ったことがあるのですが、共通点に驚きました。私の怪談は、考古学ではないんですが、土から破片を見つけると、これは丼かな、つぼかなと想像しますよね。何年かするとまた近くから破片が見つかる。「似てるな」と思ってくっつけていくと、どんどん形になってくる。どうしても見つからない所は「向こう側がこういう柄だからこっちもこうだろう」と推理する。こうして出来上がったものをお見せするんです。市販されていない本の中で、柳田さんが同じことを言っていたんですよ。柳田さんもやはり足で稼いでいたそうです。自分ではこれを「心霊探訪」と呼んでいます。

◇うちの工房にもいます

 心霊探訪も楽しいのですが、一番楽しいのは、最後に、話の破片がまとまりつつあって、その世界へと入っていく時です。

 私の工房は海の見える高台にあります。別荘や仕事をリタイアした後に老夫妻で移り住んだという方が多くて、早い時間に寝ちゃうんで、夜は真っ暗なんですよね。ぽつーんとちいちゃな明かりをつけて一人で仕事していると、どんどん〃絵〃が見えてくるんです(話が具体的になってくる)。
そして、そういう時、〃来てる〃のが分かる。

 うちの工房にいるんですよ。何人もが見てるんだ。それは地元のおじいさんで、私その人がとっても好きだったんですが、亡くなっちゃったんですね。

 不思議なことがあるんだ。私の後輩夫妻が泊まりに来たんです。奥さんは極真空手で当時女性では5人しかいなかった有段者の一人。強くてすごい。私たちが買い出しに行って帰ってくると、留守番をしていた奥さんが、私に言うんですよ、人が来てたって。どういう人だって聞いたらば、短い白髪で銀縁の眼鏡を掛け、チェックのシャツを着て、ベージュっぽいズボン。それ亡くなったそのおじいさんそのものですよ。奥さんはその人に会ったこともない、私はそんな話をしたこともないのに。

 私の友人のディレクターが「あの辺りにロケに行くんだけど、ホテルも何もないから貸してくれる?」って言うので貸したら、ガス、水道、電気が全部使えないっていうこともありました。義理の兄が「マージャンやりたいから貸してくれ」って言うんで、鍵を貸したら開かなかった、ということもあった。私が行くとそういうことはないんですけどね。

◇怪談にはメロディーがある

 怪談って、私は絵だと思ってるんですよ。文章じゃない。自分で絵を見ながらしゃべっています。

 そして、〃音〃で表現したりします。擬音や声色を使おうとは思わないんですけど。きっと自分の母親が子どもの頃に話してくれた話し方がそうだったのだと思います。

 例えば、浴衣姿でげたをはいた若い娘さんが、花火を見た帰り道、トンネルに来たらふっと怖くなっちゃった。せいぜい長さ5メートルぐらいのトンネルなんだけど、何か怖いんだ。そんな時の5メートルっていうのは、言葉で説明しても分からないから〃音〃にする。「カッコカッコカッコカ…」。うちはもともと音楽をしている事務所だから本当の音もあるけど、限定しちゃうからそれはあえて使いません。

 スガシカオさんから「稲川さんの怪談は、音楽を聞いているようだ」と言われたことがある。不思議ですよね、怪談って、話にメロディーがあるんですよ。それがないと話がいやらしくなっちゃうんです。だから、うまくしゃべっている時は、うちのプロデューサーが言ってくれます。「座長、きょう歌ってた」って。そんな時は、〃絵〃がきれいに見えているんでしょうね。語りって、それぞれの世界のイメージが湧いてくるから面白いですよね。

◇怪談は遊園地

 楽しい世界ですよ。陰湿じゃない。今年もずいぶん皆さん泣きますよ。笑うし、悲鳴も上がるけど、最後の話になるとみんな泣いてるな。悲しいからじゃなく、優しいから泣くんですよね。

 暗くて重くてつらいとかは全然ない。怖くて楽しいから、遊園地みたいなものです。たまには気分転換して頭を整理したいとか、これから有名大学を受けるんだけど勉強がつらいとかいう人にも聞きに来てほしいと思います。

 うちのスタッフは優秀で、今年27年目だけど今まで一度も失敗がないし、タイミングも逃さない。何かあると「そうじゃないんです。突然目を押さえられて」とか「あれは私じゃない」とか、霊のせいにするんです。だから失敗がないんです。面白いですよね。

 こっちが楽しくなかったらお客さまも楽しくないですよ。仕事と思ったら駄目。自分の人生と思っているから、できるんですよね。仕事だったら引退を考えちゃう。

◇霊の磁場

 霊が出るのは、夏より冬の方が多いんです。自分を中心に3メートル磁場をつくるらしい。つまり、「気」ですよね。動物の霊は直径2メートルぐらい。目に見える霊は怖くないけど、本当に怖いのは見えなくて、気配だけ出す。これは命に関わりますから危ないですよ。めったにいないですけどね。

◇和歌山県の人形神社で

 和歌山県に人形神社として知られる淡嶋神社ってのがあって、亡くなった先代宮司から付き合いがあり、自分の作品を撮影する時にそこの人形を借りているんですが、不思議だったなー、1体多いんですよ。30体借りていたのに、映像では31体になっていた。

 貸してくれた方も「おかしい」って言って。「稲川さん、今度、地下におはらいをする所ができました」というので、また行きました。

 すごいですよ。日本中から人形が集まっている。面倒をみられなくなった人形を預かってくださいって。江戸前のいい人形もあったので、近付いていったんです。その時、宮司さんが呼ばれて外に行っちゃったんです。すると、電気がふっと消えて真っ暗になった。そしたら闇の中で笑い声が聞こえるんですよ。さすがにぞくっとしましたね。調べておこうと思ってね、そっちをじーっと見てたんですよ、ここだなーって見てると「稲川さんごめんなさーい」って、明かりがふっと戻ったんですよね。そして、人形を三つぐらいどかしたら男の子の人形、丸刈りで、カッと笑って歯が見えてる人形がいました。間違いなくこれですよ。ほかにも怖い所がたくさんあります。

◇田舎に帰るつもりで

 怪談と思わず、普通に見に来てください。怖い話も聞けるけど、田舎に帰ったら、じいさんが「あのさぁ」って話しだす。そんな感じです。

 5話ぐらい話して、心霊写真も見せる予定です。プログラムはその場で突然変えることもあるので、確実ではありませんが、先ほども話したように、一つは昔、終戦記念日に載っていた記事を基に語りたいと思っています。胸を打たれる。戦争中の話なのに、きれいな情景が浮かぶ。お盆に田舎に帰ってくると空は晴れやかで、セミが鳴いてぽつんと線香があるんだけど、何か妙に穏やかな、無のきれいさがあります。亡くなった人たちに、きれいな花と空を見せる、そんな感じかな。

 また、短めだけど雰囲気のある話や、「これ何なの」っていう話。テーマというわけではないんですが、私が今年言っているのは「大きな歴史の中の小さな歴史」。当事者がいなくなったら記憶が消えてしまう。そういう話を語りたい。

 すごく怖いのを二つ考えています。私も、話をまとめながら何回〃ちびった〃か。皆さん、(替えの)パンツを用意してこないと大変ですよ(冗談です)。

◇稲川淳二プロフィル
【いながわ・じゅんじ】東京都生まれ。ユニJオフィース所属。工業デザイナーとして活動し、1996年には、個人でデザインを手掛けた車止めが、通産省のグッドデザイン賞を受賞。タレント活動をしていた45歳で始めた怪談ライブの反響が大きく、55歳で怪談家に。障害者の子を持つ親の見地から、バリアフリーや人権をテーマにした講演にも力を入れている。

■チケット販売中

 「稲川淳二の怪談ナイト」の入場券は、前売り5500円、当日6000円。
日向市文化交流センター、門川町総合文化会館、延岡総合文化センター、西村延岡店、ローソンチケット(Lコード83016)、チケットぴあ(Pコード641−954)、CNプレイガイド、イープラス、YAHOO!チケットで扱っている。問い合わせ先は鈴木企画(筍娃坑牽機Γ横亜Γ毅娃隠亜法

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