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延岡大空襲、犠牲者を悼む

本紙掲載日:2019-06-29
3面
犠牲者の冥福と平和を願った延岡空襲の慰霊法要
献花を行い手を合わせるわかば幼稚園の園児

令和初の慰霊法要−今山大師

◆県外からの遺族ら平和願う

 多数の死者と市の中心部を焼き尽くした延岡大空襲から74年目を迎えた6月29日、令和初の慰霊法要が延岡市山下町の今山大師(野中玄雄住職)の弘法大師銅像広場に立つ殉難碑前で営まれた。県外からの遺族のほか、行政関係者、同市北町のわかば幼稚園の園児ら約50人が参列し、1945(昭和20)年6月29日未明の惨劇を思い、犠牲者の冥福と恒久平和を祈った。

 午前10時に今山大師の鐘を合図に一斉に黙とう。城山の同10時を告げる鐘と重なり、市内には慰霊の鐘の音が鳴り響いた。

 野中住職、野中健雄副住職らが読経する中、参列者は殉難碑前の祭壇に次々と焼香し、静かに手を合わせた。

 わか葉幼稚園年長組の園児22人は、慰霊碑に手作りの造花を供え、全員で鎮魂と平和を祈り合唱した。読谷山洋司市長のあいさつを代読した山本一丸副市長は「戦争の悲惨さ、そこに尊い犠牲があったことを次の世代に語り継ぎ、平和を維持していくことが重大な責務です。延岡空襲を風化させることなく、慰霊と平和の心を長く後世に伝えなくてはならない」と話した。

 法要後、遺族は殉難碑や碑の横にある殉難者の名前を刻んだ石碑に水をかけ、手を合わせる姿も見られた。

 毎年参列している同市緑ケ丘の佐藤政重さん(76)、妙子さん(68)夫婦は、空襲で生き残った妙子さんの母加行チヲさん(享年94)から当時の悲惨さを聞かされてきた。チヲさんは空襲で前夫の馬場源蔵さん(享年59)を失った。「母の意志を継いで、空襲を語り継いでいかなければならない。子どもに伝えるためにも、親世代の皆さんにもっと知ってもらえれば」と話した。

 1978年に今山の殉難碑を建立した建設委員会の調べでは、空襲による死者は、即死者130人を含め300余人、重軽傷者多数、戦災面積3041平方キロメートル、被災人口1万5232人、被災戸数3765戸となっている。

 「米軍資料・北九州の空襲」によると、延岡は日本における軍用爆薬生産上最も重要な中心地の一つとされ実行された。

 延岡に飛来した第314航空団の米軍爆撃機B29は117機。29日午前1時46分から同3時17分までの91分間に約10万発の焼夷(しょうい)弾を投下した。

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