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ローカルにしかできないこと

本紙掲載日:2019-04-17
8面

美々津舞台の短編映画を制作・延岡市出身−泊麻未さん

 2月はグレー、4月はゴールド。服を着替えるように髪色も楽しむ彼女は、延岡市島浦町出身の泊麻未さん(25)=宮崎市在住=。東京では演劇活動、米ニューヨーク(NY)ではアート活動を経験。奔放な雰囲気をまとうが、次に選んだ場所は〃ローカル〃の宮崎だった。帰郷から半年足らずのうちに個展と映画製作に挑戦。20日に初の自主製作映画が封切りされる彼女に話を聞いた。

◇恥ずかしくて…

 幼稚園の頃の夢は「絵描きさんと女優さん」。毎年のように家族旅行で見に行った劇団四季に憧れ、小さい頃から演劇に興味を抱いていった。目立ちたがり屋で仕切りたがり屋な性格も相まって、地元でのミュージカルで主役を務めるなど前へ前へと出て行った。

 演劇の道を本格的に意識したのは、島浦町から引っ越した日南市の吾田中学校時代。ただ、恥ずかしい気持ちが勝って、親にも先生にも打ち明けられずにいた。部活もバレーボール部。それは演劇部のある宮崎大宮高校に進学しても変わらなかった。

 転機は高校3年の進路相談だった。普段は物静かな担任が突然言った。「お前は結局、女優になりたいんだろ。そしたら行った方がいいよ。そこに一回行かないと、一生後悔するよ」。その言葉で気持ちが固まった。「先生には相談していなかったのですが、なんとなく気付いていたんでしょうね」と振り返る。

 学問的に演劇を勉強する明治大学文学部の演劇専攻のAO入試を受験。2本の小論文を提出し、面接で「人間とは何かについて考えるためにやりたいです」と壮大な目標を語って合格を勝ち取った。

◇広がった世界から逃げ出して

 声優を目指す女子学生、演劇漬けで大学に一日も来ない男子学生。独特な世界が広がる大学は、宮崎から上京した泊さんにとって刺激的なものだった。「東京は何でもあるから何でもやってみよう」と決め、大学の授業と並行してステージイベントやモデル、演劇人が集まる下北沢のお店でアルバイト。そこで出会った人を頼って劇団に出入りし、客演や脚本提供。演劇の経験と自分自身の世界を広げていった。

 大学4年。卒業が視界に入ってくると、行き詰まりを感じるようになった。就職活動にも力が入らず、卒業。大学生という肩書もなくなると「自分に『これができます』って言えるものがなかった。何者でもない自分がトラウマだった」。自分に足りないものがあると考え、あえて苦手なことに挑戦してみようと思いついたのが、卒業旅行で訪れたNYへの留学だった。

 それは〃逃げ〃だったことも自覚しているが、行くからにはいろんなことに体当たりで挑戦する気持ちでいた。大学卒業後の2016年12月、NYへと飛んだ。

 NYでは語学学校に籍を置き、日本人女性8人とのシェアハウスで生活した。周囲も各国から集まった留学生で「めちゃくちゃな文法で話してくるから、こっちが正しい英語でしゃべるのがもったいないぐらい」という環境。大学受験レベルの英語能力だったが、コミュニケーションに不安はなかった。

◇アート活動を本格化

 会話に問題はないが、日本で取り組んでいた脚本を書くには言葉の壁が高かった。そこで始めたのがイラストだった。時間を見つけては描きため、パーティーで出会った日南市出身の男性写真家との縁で日本人作家数人とのグループ展や個展を開いた。

 そうしているうちに半年近くが過ぎ、あることに気付く。NYはさまざまなカルチャーやアートが生まれる最先端の街。そこで暮らす日本人もおしゃれな服やバッグで着飾るが、実際の生活は日本と変わらない。「きらきら輝くNYっていう街に執着して身にまとっているだけなのでは」。自分自身もその執着に取りつかれそうで、郊外のブルックリンに引っ越した。

 そこにはNYにない空や海の広さ、人との触れ合いがあった。「その時から東京に戻るよりは、どこでもいいから日本のローカルに戻りたいという意識が出てきた」と帰国を決めた。留学の集大成として、NYで夢を追い掛ける日本人を描いたウェブドラマの脚本を書き上げ、現地の日本人グループに渡した。

 NYの滞在は約1年だった。「恥ずかしくて言えずにいた小中高の私は人や場所のせいにしていた。本当はどれだけでも自分で広げられたんだって、NYまで行ってやっと気付きました。宮崎が退屈じゃなくて自分が退屈してた。自分さえ何かやりたいことがあればいいんだって」。あの時の自分にリベンジするつもりで2018年6月、宮崎市に舞い戻った。

◇宮崎って、面白い

 戻ってからの動き出しは早かった。まずは仲間集めも兼ねてNYで描きためたイラストの個展をすることを決め、企画書を持ち歩いた。市中心部の空き店舗を格安で使えることを教えてもらい、8月から3週間開いた個展の来場者は約400人。「思った以上に宮崎に面白い人がいすぎて、一人ひとりが個性的」。6年ぶりに戻ってきた宮崎の景色は違って見えた。

 同時に宮崎の演劇関係者から自主映画をつくる団体を紹介してもらい、今回の短編映画製作へと動き出した。当初は脚本提供のつもりだったが、「脚本を書いているんだったら最後まで監督しないと作品が変わりますよ」と言われ、初めての監督業に挑戦することになった。

 映画は「ローカルでしかできないこと」をテーマにした「ノットフレンド、ノットラバー」と「恋」の2本。都会とは正反対の、静かで伝統的な町並みが残る日向市美々津町を舞台に、都会の騒がしさとSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を離れ、自分と向き合いながら生きようとする若者の日常と関係性を描いた。

 今年2月に4日間かけて撮影。最終的に関わったスタッフやエキストラは37人と自主製作映画の規模を超えた。「いろんな人に迷惑を掛けてしまったけど、みんないい顔をしてくれたのが救いだった。大変だったし、反省することもたくさんあったけど、また次もやりたいな」

 NYに飛び立つ前の「自分は何がしたくて、何ができるのか」という悩みは今も続く。「結局、いろいろやっているけどひと言では言えない。何をしたいのっていうのはあるんですけど、まあいいかなっていうのが最近出した結論。できることをやるしかない」。まずは4月と5月の上映会を終えて、2度目の個展に挑戦する予定だ。

[あらすじ]
◇ノットフレンド、ノットラバー
ひょんなことから古民家に一緒に住み始め、自分たちの過去と向き合いながら、心の傷を共有し共生していく3人の物語。中絶や精神疾患の記憶と共生する姿も体当たりで描く。

◇恋
〃感情はファッションに〃。面倒なことからは遠ざかり、心地のいい関係を維持する男、恋を待ち続ける男、ある日突然現れた絵描き。彼らの心が、素直に、今、動き出す。

[上映会]
◇4月20日、5月25日(日向市美々津町)
美々津の町並み散策と上映会がセットになった「全日程」と「上映会のみ」の2パターン。全日程は午前10時15分までにGuestHouse&BeachCafefuegoに集合し、資料館見学やワークショップ体験のツアーに参加。上映会は午後5時30分から古民家の美々津軒。参加費は全日程が1万5000円、上映会のみが3000円(軽食付き)。4月20日は残りわずか。

◇5月18日(宮崎市)
午後6時30分から若草通りにある若草HUTTE。映画中に出てくる音楽やグルメを満喫しながらの上映会。音楽ライブは一木彩也香、YukiKubo(LeaveouttheAll)、ひだだい。(Lily’ssicks)が参加予定。チケットは3000円(1フード、1ドリンク付き)。
[問い合わせ、申し込み]公式ホームページ(https://miyazakinfnllover.tumblr.com/)

【プロフィル】泊麻未(とまり・あさみ)さん
延岡市島浦町、日南市出身。宮崎大宮高校卒業後、明治大学で演劇学を専攻。在学中より舞台や映像で役者・脚本として活動する。卒業後、さらに視野を広げようとニューヨークで生活し、同時にアート活動も本格的に開始。現在は宮崎市に拠点を移して活動中。ニューヨークで夢を追い掛ける日本人のコメディウェブドラマ「ジャパドリ」やショートムービー「オモイダシタ」に脚本で参加。
(写真は4月に宮崎市の若草HUTTEで)

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