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ミカンの花咲く丘

本紙掲載日:2019-01-17
8面

国営事業の完工から35年−日向市高森山

◆黒田さん方の農園を訪ねて

 日向市南西部にそびえる高森山(標高342メートル)。市街地を見下ろす丘陵地には、国営事業で造成された広大な農地が広がる。事業の完工から今年で35年。高森山団地などで地域ブランド「ひょっとこみかん」を生産する黒田吉郎さん(65)=同市塩見=方のミカン園を訪ねた。

◆価格暴落を乗り越え・大地に根を張り、花開き……−「栽培は人生と同じ」

 昨年12月初旬、広域農道に近いミカン園では、たわわに実った「青島温州」の収穫が始まっていた。肩から袋を提げた女性らが、鮮やかなオレンジ色に熟したミカンを1個1個丁寧に取っていく。

 「例年より収穫が早い。台風による落果はあったが、全体的に品質のいいミカンが出来た」。軽トラックで集荷に走り回る黒田さんが声を弾ませる。

 旧東郷町を含む日向市と都農町で国営農地開発事業が始まったのは昭和46年。常緑果樹農業研修所(大分県国東市)を終えて就農したばかりの黒田さんは、父親が手掛けるミカン栽培の規模拡大を図ろうと新たに開拓された高森山団地などに計8ヘクタールの土地を求めた。

 造成の自己負担や苗の育成資金などで借り入れは最大3千万円に達したが「返済はミカンの収穫が始まってからでよかった。十分やっていける試算だったし、借り入れも怖くはなかった」。

 国内のかんきつ産業は昭和30年代後半から40年代にかけて発展期を迎え、国を挙げてミカンブームが起きた。しかし、輸入自由化と食の多様化で消費は次第に頭打ちとなり、生産過剰で価格が大暴落。ミカン栽培は低迷期に突入した。国営事業が始まったのはちょうどその頃だった。

 黒田さんによると、農家は低金利資金に借り換えて急場をしのぐ一方、国はミカンの生産調整に乗り出した。「木を切るかどうか悩んだ。朝早くから作業に出て寝るのは夜中の12時すぎ。疲れていても眠れなかった。転職も考えたが、これまで頑張ってきた父親のことを思うと、ここでやめるわけにはいかなかった」

 栽培の効率化を図るため、新たに資金を借り入れ、行政の補助事業も活用して消毒の機械化を模索した。段々畑状の造成地に機械を導入するのは困難だったが、自ら重機を操って専用の農機が通れるよう改良した。さらに、市場がだぶついていた品種を競合の少ない極早生(わせ)種や青島温州に植え替えた。相場の好転が見通せない中、新たな投資は「大きな賭けだった」という。

 本来、消毒には水が必要となり、国営事業ではかんがい施設の整備も計画されていた。しかし、農家の負担金が数倍に膨らむために中止となった。「あのまま施設を整備していたら、とても負担金が払えなかっただろう」。黒田さんはそう振り返る。

 その後、ミカン農家の後継者不足や高齢化などで生産量が徐々に減り、最近は全国で年間100万トンを下回っている。これに伴って価格も安定し、ここ5年ほどの平均価格は1キロ180〜200円前後と暴落時の4倍まで上がっているという。

 国営農地開発事業は、当初計画された桑などの主要作物全てが順調にいったわけではない。その中で、ミカンについては日向市内で21人が約74ヘクタール(同市調べ)で栽培しており、県内の主要産地の一つとなっている。

 ミカン園が広がる丘陵地から広大な日向灘が望める。水平線を赤く染めた太陽は、やがてミカンと色を競うような夕日となって西の山に沈む。

 最近は舞台演劇にも打ち込む黒田さんは、「国営事業に対する評価は関わった人たちにそれぞれあると思う」と断った上で「大地に根を張り、花が開き、実がなる。ミカン栽培は人生と同じ。いまは、国営事業や国・県・市の支援のおかげだと感謝している」と話していた。

◆国営農地開発事業美々津地域

 旧東郷町を含む日向市、都農町にまたがる山林原野を対象に行われた事業。昭和46年から同59年までの14年間、事業費は約147億円。日向市によると、受益面積は計21団地、652ヘクタール(畑168ヘクタール、樹園地484ヘクタール)。ミカン、桑、茶、牧草が主要作物だった。農地のほかに延長約103キロの農道が整備された。

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