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大雨、台風に備え

本紙掲載日:2018-05-21
3面
釜段工法の水防工法訓練に取り組む消防団員ら
大分県佐伯市から届けられた救援物資搬入訓練
被災車両のドアを外して人命救助訓練を行った延岡署災害先遣隊
延岡市赤十字奉仕団による炊き出し訓練
多くの市民が堤防から訓練を見守った

本番さながら水防訓練−延岡市

◆18機関525人−連携、対応を再確認

 梅雨の大雨や台風に備え、延岡市消防本部は20日、同市大貫町の大瀬川河川敷で水防訓練を行った。国交省や自衛隊、県、警察、自主防災組織、大分県佐伯市消防本部など18機関から525人が参加し、本番さながらの訓練を通して災害時の対応を再確認した。

 訓練は―、最大風速50メートルの大型で非常に強い台風14号が接近。「大雨、洪水、暴雨、波浪警報」が発表され、大瀬川三ツ瀬観測所で氾濫注意水位を突破。国土交通省は「水防警報」、住民には「氾濫注意報」を発表した―との想定。

 大雨で一部の道路が冠水。大瀬川左岸では堤防の越水、破堤の恐れがあり、災害対策本部は防災無線、ケーブルテレビ、FMのべおかなどで市民に災害状況を知らせ、避難勧告を発令。同時に消防団が住民を避難誘導し、応援協定による延岡地区建設業協会と県自動車整備振興会延岡支部の協力で水防活動を開始した。

 一方で、陸上自衛隊と航空自衛隊が「軽装甲機動車(通称ラブ)」「中等練習機T4」で道路冠水状況と孤立集落などの被害情報を収集した。

 災害時の応援協定に基づき、大分県佐伯市から救援物資が到着。延岡赤十字奉仕団と陸上自衛隊の炊事車による炊き出し、市内各所に避難所を開設し、航空自衛隊は救護所を開設するなど、各団体が受け入れ態勢を整えた。

 堤防では、水防工法訓練。消防団や自衛隊は、延岡地区建設業協会が運んできた土砂で土のう900個を作製。水害の状況に応じてさまざまな工法で積み上げた。

 このうち、今年初めて訓練に取り入れた「釜段工法」は、昨年度に起きた同市北川町での浸水被害の際に使われた工法だという。パイピング現象を防ぐ有効な手段といい、漏水の噴出口を中心に土のうを積んで水をため、この水圧で堤体土砂の流出を抑えるという。

 このほか、延岡河川国道事務所が緊急内水対策車・照明車の運用、市消防本部赤バイ隊が消防車両が入れない場所への被害状況巡視、延岡署災害先遣隊が被災車両のドアを外して人命救助と車両撤去などの訓練も行った。

 会場では、応急手当てや負傷者の搬送法の指導、簡易ベッドや簡易トイレ、防災に関するさまざまなパネル・資料などの展示も実施。多くの市民が来場して訓練を見守っていた。

 訓練に際し、読谷山洋司市長は「毎年水害に遭っている延岡市ではありますが、少しでも被害を出さないためにも関係各所、官民の連携が不可欠です。日ごろからの訓練で絆を深めて万が一に対処したい」とあいさつを述べた。

 訓練後には、国土交通省延岡河川国道事務所の田浦峰星所長は「訓練では、真剣で迅速に活動されている姿が心強く思いました。私たちも災害に対するさまざまな施策を行っていますが、地域全体で災害に対して役割や行動がどうあるべきかを常日頃から考え、備えてもらいたい」と呼び掛けた。

 延岡署の時任和博署長は「九州北部豪雨や大分県での自然災害は、自然の厳しさを改めて痛感した。日ごろから定期的な訓練を実施して、災害危険箇所の点検や未然防止に努め、安心安全なまちづくりりに努めたい」と話していた。

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