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2018県の予算から(1)

本紙掲載日:2018-04-03
1面
今年3月、五ケ瀬川をさかのぼる若アユ。資源回復に向け懸命の努力が続けられている

五ケ瀬川アユ資源回復

◆代替漁業導入を支援−人工ふ化養殖などへも

 延岡市北方町の柳田昌徳さん(63)は、五ケ瀬川漁協の組合長を3月18日で降りたばかり。2期6年間、良型アユが捕れる釣り場を数多く管理してきたが、「遊漁料(年券1万円)に見合う釣果がないとの苦情ばかり聞いてきたような気がする」と振り返る。

 県によると、五ケ瀬川のアユ漁獲量は昭和47年の89・3トンをピークに減少し、平成21〜28年は10トンを割り込む。不漁は釣り客を遠のかせ、同漁協管内でも28年はわずか60人と低迷。昨年は200人余りと持ち直したが、それでも元年時の5分の1。ピーク時には660人いた組合員も現在は200人に満たない。

 「昨年の遊漁料収入は、釣り場周辺に生えすぎていたヨシの刈り取りに充てた。もっと釣り客が増えれば、ほかの環境改善に使えるのに」と柳田さん。資源回復のため、稚魚、成魚を含め1トン近い放流も大きな負担となっている。

 五ケ瀬川アユの危機的状況に県は28年11月、「資源回復に向けた取り組み方針」を策定。海産稚アユ採捕業者、内水面漁協、養殖業の代表者を交えたプロジェクト実行委員会を立ち上げ、2021年までの5カ年計画が昨春にスタートした。

 2年目の今春まで、延岡湾での稚アユ特別採捕許可を停止。3年目からは停止範囲を門川、日向湾に広げ、河川の瀬掛け漁も禁じる。それでも回復が見られない場合は4、5年目と段階的に河川の漁業管理を強化する。この間、1年ごとに資源状況を検証して次の対策を講じる。

 これまでアユとともに生活してきた関係業者に負担をかけるプロジェクト。このため、県は途中で息切れしたり、経営的に困ってしまうことがないよう手助けする事業を新年度予算に盛り込んだ。

 実施は2020年度までの3年間。初年度は1200万円を計上して採捕停止で収益減となった稚アユ業者に対し、深海エビ漁などの代替漁業導入の際の漁具購入費を補助。講師派遣や先進地視察も必要に応じて世話する。天然稚アユを使っていた養殖業者が人工ふ化の稚アユに切り替える際も支援する。

 内水面漁協が下流域の浅瀬で行う産卵床造成へも補助。稚アユ放流についても、義務とは別に自主的に行う分に限り補助対象に加える。

 県水産政策課は「資源回復は伝統漁法の『あゆやな』振興にも欠かせない。関係者と一体となって成功事例につなげたい」と意気込む。

          ▽          ▽

 平成30年度県当初予算の中から主な事業を5回に分けて紹介する。

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