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郷土の歌人小野葉桜しのぶ

本紙掲載日:2017-11-07
2面
第29回葉桜短歌賞の入賞者(提供写真)

短歌賞の表彰式も−美郷町西郷

 西郷村(現・美郷町西郷)出身の歌人小野葉桜を顕彰する「第29回葉桜まつり」が11月3日、同町の西郷ニューホープセンター敷地内に立つ歌碑前であり、病気や事故などで不遇の生涯を送りながらも数多くの短歌作品を残した「薄幸の歌人」をしのんだ。同町と葉桜顕彰会の主催。毎年「文化の日」に開いている。

 同顕彰会会員や来賓ら参列者は「父上の子の百姓にかへらなむ垂り穂の秋のここのふる郷」の短歌を刻んだ歌碑に玉串をささげ献酒。郷土の歌人に思いをはせた。

 続いて、同センター内で「第29回葉桜短歌賞」の表彰式が行われた。一般、小学生、中学生、高校生の4部門に県内外から1796首の応募があり、最優秀賞には日向市の甲斐隆子さん=一般の部=、田代小4年の橋口陽和さん=小学生の部=、美郷南学園7年の大山理菜さん=中学生の部=、日向高1年の飯干歩美さん=高校生の部=が、それぞれ選ばれた。

 尾畑英幸町長は「できるだけ多くの方々に葉桜文学に触れていただくことで文化の薫(かお)り高い活力ある町づくりに貢献し、来年の30周年につなげたい」とあいさつ。表彰後、選者の歌人大口玲子さんによる心温まる選評と記念講演会もあった。

 また、葉桜の短歌を歌い継ぎ、今年で結成26年目を迎える地元のコーラスグループ「コールチェリーナ」(石井理加代表)の「葉桜のうたコンサート」もあり、美しいハーモニーで魅了した。

 葉桜(本名・小野岩治)は明治12(1879)年、農家の長男として生まれた。小学校に勤務したり、西郷村内で薬店を開くなどして人望を得て、同40年に28歳で東臼杵郡議会議員となるものの、人力車の事故で頭部を強打し、就任1年余りで辞任。

 度重なる病と貧困の中、唯一の心のはけ口として短歌に情熱を注ぎ、東郷町(現・日向市東郷町)出身の歌人若山牧水とも親交を深めた。

 しかし、歌人としての将来を期待されるようになり、作品集を出そうとしていた34歳の時、再び病に倒れて歌人としての活動を終えた。以降、短歌を詠むことはなく、病も一進一退のまま63歳で不遇の生涯を閉じた。

 第29回葉桜短歌賞の最優秀賞作品と県北の入賞者は次の通り。

【一般の部】
▽最優秀賞=甲斐隆子(日向市)
キミに来し四十回目の誕生日苺ケーキはもう要らんでせう
本箱の奥の絵本を起こしやる象も大熊猫も観ずに子は逝く
一冊を満たせぬままのアルバムに子は眠りゐる男の子の顔に

▽優秀賞=田尾重子(日向市)
▽佳作=金丸久(日向市)

【小学生の部】
▽最優秀賞=橋口陽和(田代4)
おじいちゃんプール作っておつかれさんおばあちゃんからもすいかをどかん

▽優秀賞=荒木アマミ(坪谷4)園田大智(美郷南1)南谷瞳(同5)
▽佳作=黒木陽菜(田代5)ふるかわきらと(寺迫1)中森壮大(美郷南1)日野雄斗(美郷北1)川名泰平(同1)

【中学生の部】
▽最優秀賞=大山理菜(美郷南7)
田んぼからゲコゲコゲコと鳴いている私は何か伝えているのか。

▽優秀賞=小中谷海知(富島2)
▽佳作=甲斐真大(西郷1)甲斐ひなた(同1)河野莉々花(日之影2)山内佑唯(富島2)

【高校生の部】
▽最優秀賞=飯干歩美(日向1)
母の日に「ありがとう」なんて言えなくて「んっ」とさし出す母の好物
▽優秀賞=小西敦也(日向2)関口和真(富島1)
▽佳作=川越璃子(日向2)西村綾香(高千穂3)

【第11回藤田世津子賞】
上村由美子(日向市)

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