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山本聡美さん講演会(門川町出身共立女子大学教授)

本紙掲載日:2016-12-30
7面

「日本美術史の闇と光〜九相図をよむ」

◆日本美術の歴史を貫く豊かな水脈−2月12日、延岡市立図書館2階セミナー室

 門川町出身で日本の中世絵画史を研究している共立女子大学教授・山本聡美さん(東京都在住)の講演会を、2月12日午後2時から延岡市立図書館2階セミナー室で開きます。山本さんは、仏教とともに伝来し日本に深く根を下ろした絵画「九相図(くそうず)」の研究で文化庁の芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞するなど注目されています。「日本美術史の闇と光〜九相図をよむ」の演題で、映像を使いながら語っていただきます。


◇仏教の修行に由来

 昨年出版された山本さんの著書「九相図をよむ〜朽ちてゆく死体の美術史」は、今年3月に平成27年度芸術選奨文部科学大臣新人賞(評論部門)、10月には第14回角川財団学芸賞を受賞した。
 「九相図をよむ」の「序」で山本さんは「東洋には、死体が腐敗し白骨となるまでを九つの相で表す、九相図(九想図)と呼ばれる絵画がある。これは死体の変化を九段階に分けて観想(いわばイメージトレーニング)することによって自他の肉体への執着を滅却する、九相観(九想観)という仏教の修行に由来する主題である」と書いている。

◇衝撃の出合い

 九相図は日本に深く根を下ろし、「絵巻・掛幅(かけふく)・版本など、多様な形態の九相図が生み出された」。山本さんは、早稲田大学で日本美術史を学んでいた頃、「九相図巻」(鎌倉時代、九州国立博物館蔵)と出合った。その時の衝撃をこう記している。
「凄惨な主題であるにもかかわらず、その絵は圧倒的な美しさもたたえていた。現実感を伴った人体のフォルム、流麗な線描、点描画法を用いた彩色。細部の描写には、描かれているのが死体であることを忘れさせるほどの精気が宿っている。鎌倉時代にこんな絵が描かれていたなんて−−日本美術のすごさに、そのとき気づいた」
 以来、九相図について考え続けてきた。「今でもわからないことは多いのだが、二十年以上の歳月をかけてこの絵について考えたことで、解けた謎もある。日本美術の歴史を貫いて流れる九相図という豊かな水脈が見えてきた」という。

◇仏典から松井冬子まで

 山本さんは著書で、仏教の修行である不浄観(ふじょうかん)のうち「死体を九段階(ないしは十段階)に分けて観想することを特に九相観(くそうかん)」といい、多くの教典に説かれている。その中で、日本の九相図に直接的な影響を与えたのは、中国隋代に天台宗を確立した智據覆舛)の講話を筆録した「摩訶(まか)止観(しかん)」だという。
 8世紀には日本へもたらされていた「九相詩」となり、さらに光明皇后や小野小町といった実在の女性たちにまつわる九相観説話などへと展開する。絶世の美女といわれた小野小町の栄華と零落、死後にはその遺骸を葬る者もなく野ざらしになったという伝説も九相図と結び付いていった。
 山本さんは「浄と不浄、永遠と無常、罪と救済、男と女、生と死、あらゆるせめぎ合いの中から、清浄なる方向、救いに満ちた方向へと読者を導く物語として九相観説話は存在している」と述べる。
 第4章以降は、「日本における九相図の文化を語る上で見逃すことのできない」10作品を紹介。鎌倉時代の九州国立博物館蔵「九相図巻」をはじめ江戸時代初期の早稲田大学図書館蔵「九相詩」、さらに〃現代の九相図〃を描く日本画家の松井冬子の作品も取り上げている。

◇学術成果を分かりやすく

 山本さんの研究は高く評価されている。文化庁は「脈々と続く九相図の伝統と変容の有様を紹介し、日本人の生死観にまで迫ろうとした努力は顕彰に値する。学術の成果を分かりやすく一般に伝えた点も評価したい」と平成27年度芸術選奨文部科学大臣新人賞を授賞した。
 また、角川財団学芸賞の他に上野五月記念日本文化研究奨励基金が山本さんの九相図に関する研究を「中世日本においては、世の無常を説く主題ともなり、説話文学・漢詩・和歌などとも結び付いて重層的な意味を獲得した歴史を、現存作品や文献を通じて丹念に解き明かした」として上野五月記念日本文化研究奨励賞を贈った。
これらの受賞を記念して今回の講演会を開催します。山本さんから次のメッセージが届きました。

◇1月7日から受け付け

 聴講無料。定員50人。聴講希望者の受け付けは1月7日から行います。延岡市立図書館(電話0982・32・3058、ファクス0982・22・0644)に人数、連絡先などをお伝えください。
21世紀をひらく〜歴史と文化の再発見シリーズ。

□主催/延岡市教育委員会
    旭化成ひむか文化財団
    夕刊デイリー新聞社

【山本聡美さんプロフィル】
門川町出身。門川小、門川中、日向高、早稲田大学第一文学部卒、同大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。博士(文学)。専門は日本中世絵画史。共立女子大学教授。共編著に『国宝六道絵』(中央公論美術出版)、『九相図資料集成』(岩田書院)など。

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