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車ごと流され−死を覚悟

本紙掲載日:2016-10-13
3面
矢野さん(左)と救出した須藤さん

台風16号で大水−延岡市北川町瀬口の矢野さん

◆必死で脱出、木の上へ−近所の須藤さん濁流に飛び込み救助

 9月19、20日にかけて九州南部に上陸し通過、県北に大きな被害をもたらした台風16号。延岡市北川町では、瀬口に住む矢野晴美さん(85)が、自宅の庭先から車ごと流される恐怖を味わった。矢野さんは、窓ガラスを割って脱出し、物音に気づいた近所の須藤酣靴気鵝複僑院砲濁流から、矢野さんを助け出した。矢野さんは「死を覚悟した。改めて、自然は恐ろしいと感じた」と振り返った。

 流されたのはあっという間だった。車は家から離れて行く。「こりゃいかん」。前方から沈み始めた。後部座席に移ったが、水がどんどん水が入ってきた。

 窓は開かない。フロントガラスを両足で思いっきり、何度も蹴り上げた。びくともしない。「100%助からん」。死をも覚悟したそのとき、手に触れるものがあった。狩猟用の道具箱だ。「ああ、忘れちょった」。半分水につかりながら、中の腰ナタをつかみ、リアガラスをたたき割った。どっと水が入ってきた。

 「出られた」。水面に浮いたとき、あたりはまだ真っ暗。高さ5メートルのクリの木だけが見えた。濁流に流されながらも、その木の先端にしがみついた。そして「おーい!」と声を上げた。

          ▽          ▽

 矢野さん方は御頭神社の近く。近くに小川の支流、多良田川があり、一帯はこれまで何度も浸水したことがある。

 「大水が出るのは分かっちょった」。19日にはトラクターなどや自家用車は高台の旧瀬口中学校に移動させた。しかし、20日は病院に行く予定だったので、軽乗用車は車庫に入れたままだった。

 20日は午前5時ごろに起床。「ものすごい暴風雨」にどこまで水が上がってきているのか、車のライトで確認しようとしたという。

 寝間着に長靴で車に乗り、車庫から家の門柱まで移動させると、車が浮いた。そこで初めて水が敷地内まできていたことに気付いた。そして、車のに乗ったまま流されたのだ。

          ▽          ▽

 矢野さんの家から南西約60メートルの所に須藤さん方はある。須藤さんも徐々に上がってくる水を心配していた。

 その須藤さん方に「ボン、ボン」という音が聞こえてきた。後で分かったことだが、矢野さんがガラスを割ろうと足で蹴り上げているときの音だった。「火薬が爆発したんかなと勘違いするほど大きな音だった」という。

 須藤さんが音の方向を見ると「ライトがチカチカしているのが見えた」。流される車に気付き、すぐに119番した。

 須藤さんは、「寒かった」ことから、このとき防寒用にとアユ取り用のウエットスーツを着た。車の方向を目たが車はなく、「クリの木から声が聞こえてきた」。

 「もしや、矢野さんでは」。気になった須藤さんはすぐに矢野さん宅へ電話した。矢野さんがいないことが分かった。流されているのは、矢野さんと確信した。

 「おいちゃん、もう少しやから頑張れー」と家族と一緒に励まし続けた。

 矢野さんは「流されるのも時間の問題」と思い、「俺は泳ぐぞー」と須藤さんに声を上げた。これを聞いた須藤さんは「泳ぐなー、泳いだら助からんぞー」と応えた。しかし、矢野さんはクリの木を離れた。近くの電柱を目指すつもりだったのだが、直後に大量の水を飲んで意識を失った。

 須藤さんは、家族の反対を押し切って子ども用の浮き輪を片手に自宅の塀から飛び込んだ。

 大量の流木をかき分けながら矢野さんの元へ。たまたま流れてきた約3メートルの木材を手に取り、矢野さんをつついてつかまるように促した。「手につかまらせたら共倒れになることは分かっていた」と須藤さん。

 矢野さんが木材をつかまえたのを確認すると、自宅近くの石垣の上にある高さ約8メートルのビワの木まで引っ張り込んだ。須藤さんはロープで矢野さんをくくり、自宅裏山から引き上げた。すぐに用意していた風呂に入れ、布団で休ませた。それが午前6時30分ごろ。矢野さんが流されてから1時間以上がたっていた。

 須藤さんは「あのままクリの木から動かなかったら確実に助かっていなかった。結果論だがおいちゃんの判断は正解だった。幸いあの辺りは流れが緩やかだった。良い偶然がいくつも重なって起きた奇跡だった」。

 矢野さんは「(須藤)酣靴砲呂發ζが上がらない」と感謝した。

 矢野さんは、特別養護老人ホームきたがわ荘を創設し、現理事長。これを機に、「これまで以上に人のためにやっていきたい」としみじみと語った。

 須藤さん家族は12日、この人命救助で市長表彰を受けた。

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