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子どもの貧困なすくために

本紙掲載日:2016-09-05
7面
子どもの居場所の必要性について語った喜多裕二さん
ひとり親世帯の現状を説明した日田剛さん
実践者、研究者、当事者、さまざまな立場から意見を交わしたクロストーク

県北の実践者と研究者シンポジウム

◆今必要なことは仕組みづくり−心受け止め、寄り添う居場所を

 延岡市、日向市など県北で子どもの貧困対策に取り組んでいる実践者や県内外の研究者らによるシンポジウム「地方都市から子どもの貧困をなくす」は21日、延岡市社会福祉センターであった。今必要とされている子どもの居場所とは、市民の立場からできることとは−−など意見を交わした。

 主催は、生きづらさを抱える人たちの居場所づくりに長年取り組んでいる延岡市の「のびのびフリースペース」と当事者グループ「わえん」。共催は、同じく県北を拠点に活動しているNPO法人「結い」。

◇生きづらさ抱える

 のびのびフリースペース代表の喜多裕二さんは実践者の立場から発言。両親の不仲などをきっかけに、家庭で親と雑談すらできなくなり、人との関係をうまく築けず、生きづらさ(心の貧困)を抱えてしまった子どもたちの事例を示し、子どもの心を受け止め、寄り添う居場所の必要性を訴えた。

 子どもたちにとって必要な居場所について、「単に集まって騒ぐ居場所ではなく、ゆっくりと話を聞いてもらえる、自分を認めてもらえる心の居場所」とし、「それは本来、家庭であるべきだが、悲しいことに今、子どもたちにとって家庭は、雑談すらできない居場所になっている」。

 その上で「私たちにできることは、そんな困難に立ち向かっていく、それでも前を向いて頑張っていこうとする力を発揮させていくこと。そんな心の居場所を地域、地域でつくってほしい。あらゆる地域のネットワークを網の目のように張り巡らせ、みんなで子どもたちを見守っていけたら」と呼び掛けた。

◇ひとり親世帯の所得

 同シンポジウムでは、貧困を「所得」だけでなく「環境」と「能力」の三つの側面から捉えていくことを、参加者全員の共通理解とした。

 九州保健福祉大学助教の日田剛さんは「所得」の側面から、宮崎県のひとり親世帯の現状を取り上げた。

 県の離婚率は全国でも高く、県内のひとり親世帯の9割は母子世帯。このうち約6割は平均月収15万円未満と低い。年齢別平均月収を見ると、母親の年齢は上がっても平均月収はほとんど増えていないという。

 母子世帯の就業形態を見ると、正職員の割合は全国と比べて高い。「それでも収入は低く、だから厳しい状況にある」と説明した。

 「所得の低さは時間的な余裕も奪う」と指摘。ひとり親世帯になると収入が減り、働かざるを得ない。加えて家事と育児に追われる中、子どもと雑談する時間すら取れなくなり、そのひずみは子どもに影響する。心身の負担は増え、健康状態も悪化していく−−という〃負のスパイラル〃から抜け出せないまま貧困に陥っていくという。

 「女性の活躍を掲げる今の社会において、特に母子世帯の現状は厳しい。喜多さんのような民間の取り組みを単独で終わらせるのではなく、国の政策に反映させていく仕組みづくりに取り組んでいくべき」と課題を示した。

◆地域主体で一つになって

【クロストークから】
◇地方都市の負の側面

 「結い」事務局長の片田正人さんは、地方都市の負の側面を次のように指摘した。

 「地域コミュニティーは都市部と比べ濃密であるため、暮らしやすい、生きやすいと感じる半面、その濃密さゆえ一度外れてしまうと排除されてしまう。排除されてしまった人たちの居場所は、地方であればあるほど少ないのでは」

 「支援を受けている人でも支援できる立場になり得る。支援する側、される側に分かれるのではなく、行政と市民で互いに補い合いながら、これから取り組んでいけたら」

◇僕だからできること

 「結い」会員で、生きづらさを感じている当事者でもある壱岐潤さんは−−

 「僕にはずっと、ほっとする場所はなかった。泣くこともできなかった。でも、そんな僕だからこそできることもある」

 「とにかく子どもたちの話を聞いてあげたい。自分のような子どもを一人でも救っていきたい。僕は言えなかったけれど、『あれをしてみたい』『あそこに行ってみたい』と言える居場所をつくっていきたい」

◇まずできることは

 犯罪社会学を専門とする大阪市立大学都市研究プラザ特別研究員の掛川直之さんは「非行少年もまた、家庭で雑談すらできず、生きづらさを抱えている。フリースペースでも、こども食堂でも、近所のおばちゃんでもいい。子どもが子どもらしくいられる居場所を」と訴えた。

 「まず私たちにできること」として次の3点を挙げた。
▽事実を知る。
▽それを周りの人に伝える。
▽そして、自分や自分の大切な人にも起こりうることだと想像してみる。

◇できる範囲で手伝い

 貧困理論などを専門とする大谷大学助教で、「結い」所属の志賀信夫さん(日向市出身)は「貧困を所得、環境、能力の三つの側面で見たとき、所得支援は市民の立場からは難しい。しかし、環境を整備することで能力形成につなげることはできる。こども食堂や学習支援の取り組みは、その一つ。市民の皆さんに『できる範囲で手伝ってみよう』と思ってもらえたらうれしい」。

◇一つの地域として

 社会政策などを専門とする帝京平成大学助教の畠中亨さんは、県北の関係機関や市民団体などから集まった参加者約80人に、こうアドバイスした。
「これまでの『自分が救えた、救えなかった』という理解を、これからは『地域で救えた、救えなかった』という理解に変えてほしい。互いの支援を認め合い、共有し合うことは簡単なことではないが、これからは地域主体で、一つの地域として子どもの貧困に立ち向かってほしい」

◇次につなげたい

 クロストークを終え、コーディネーターを務めた北九州市立大学准教授の坂本毅啓さんは「今回はあえて不全感を残しました。それは、次につなげたいと思ったから。継続して勉強できる場を、またつくっていきましょう」と呼び掛けた。

 若い研究者らによるクロストークを、傍らで見守っていた喜多さんは「この世代にバトンタッチしていくのが、これからの僕の仕事かな。焦ることはありません。足元からゆっくりやっていけたら」と話した。

◆協力者を募る

 問い合わせ先
【NPO法人「結い」】
電話日向60・3112事務局長・片田正人さん

【のびのびフリースペース】
電話延岡26・2335、Eメール(wayenhp@yahoo.co.jp)

◇実践成果まとめた本−売り上げの一部を寄付

 「結い」をはじめ、今回のシンポジウムの語り手たちの実践成果や研究内容をまとめた本「地方都市から子どもの貧困をなくす」(旬報社)を販売中。215ページ、定価1400円(税抜き)。売り上げの一部は子どもの貧困対策のために寄付される。



県北の関係機関や市民団体などから約80人が参加
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