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特集−学校支援はげまし隊

本紙掲載日:2024-03-11
8面

見守り、寄り添い、励ます−15年目

◆広がる活動の幅・隊員の「生きがい」にも

 延岡市内の小中学校を中心に授業支援に取り組むNPO法人「学校支援のべおかはげまし隊」(渡井俊行理事長)。2009年の活動開始から、今年で15年目に入る。

 はげまし隊は、旭化成延岡OB会の会員ら23人で結成したのが始まり。岡富中でスタートした活動はすぐに評判となり、11年に延岡中で、12年には東海中と恒富中でも開始。同年、NPO法人になった。

 支援する授業も最初は中学1年の数学、理科だけだったが、英語、小学校の算数など徐々に広がり、現在はすべての教科に支援対象を拡大。支援している学校数も中学校12校、中学校が併設されている小中一貫校を中心に5校の小学校と広がっている。

 そうした動きから、隊員の数はより必要となっている。隊員にとっては支援対象教科が広がったことで、今まで以上に自分の得意分野が生かせる環境が整った。

 事務局によると、今年度は調理実習や裁縫、和服の着付けなどを手伝う家庭科の支援依頼が増加。裁縫や着付けを趣味とする人や習う人らが活躍した。また、プールや持久走の監視、柔道などの武道の授業支援など、多くの人の目を必要とする体育の授業でも、「見守り」活動が喜ばれている。

 基本姿勢は、見守り、寄り添い、励ます。「教えるのではなく、そっと寄り添い、見守り、励まし、授業が円滑に進むよう補助してくれればいい」と事務局。

 子どもたちを見守りながら、自身も子どもたちと一緒に学ぶ「子どもとラーニング型」など、支援の在り方もさまざまで、「生きがいの場」としての活用、参加も呼び掛けている。

 同隊は22年度、隊員や子どもたち、教職員から「はげまし隊の歌」の歌詞を募集した。

 50を超える応募があり、その中から支援する側の隊員が作詞した「はげまし隊の歌」と、支援される側の子どもが作詞した「はげまし隊の魔法」の2曲が完成した。

 作詞者、さらには作曲者が歌に込めた思いなどを通し、活動の魅力の一端を紹介する。

◆「はげまし隊の歌」作詞者

山下公明さん(74)・延岡市細見町

「子どもたちからもらう力」歌詞に

 はげまし隊の活動を始めて12年。旭化成時代の上司に「やってくれと声を掛けられ、素直に引き受けた」のが、活動を始めたきっかけだった。

 延岡中で理科や数学の支援から始め、2017年度に上南方小中での授業支援が始まると、しばらくして同校で支援を行うように。現在は週に3、4日、1回2時間程度、小学4〜6年の算数と中学1年の数学、それに小学校の図画工作の時間にも支援に入る。

 歌詞を応募したのは、「自分が生活してきた跡を残したい」との思いから。はげまし隊としての活動と畑での野菜作りが日常生活の半々で、「子どもたちから力をもらっている」という実感を言葉に込めた。

 歌詞の通り、予習、復習は抜かりない。30分前には〃登校〃し、その日の授業内容を予習して教室に入るとか。「苦痛ではない。やったことは来年になったら忘れていますから、また最初から勉強できます」と謙遜し、明るく笑った。

 続けて支援に入っているからこそ、「子どもたちの変化が分かる。成長が見られるのがうれしい」と活動の醍醐味(だいごみ)を語る。6年生の孫も、「きょうは来ると?」と、心待ちにしているという。

 朝は立ち番をするなど、はげまし隊としての活動以外でも精力的に学校を支える。「自分のためが強いかな。子どもたちと付き合っていると若さに元気をもらう。社会から孤立もしない。そういう意味でも、動ける範囲で続けていきたい。一番は、はげまし隊の活動が続くことを切に願っています」と話した。

◆「はげまし隊の魔法」作詞者

鈴木心優さん(16)・延岡星雲高校1年

隊員への感謝の気持ちを込めて

 詩を考えたのは、昨年春の旭中学校を卒業する直前。言葉のリズムを合わせることなど「結構悩んだ」といい、数日かけて完成させた。

 はげまし隊から支援を受けたのは、数学と英語の時間。英語の授業で生徒と一緒に参加する姿や、数学の授業では学級内を見回り、分からない時にそっと支援してくれる姿を見てきた。

 英語は好きだったが、数学は「めちゃくちゃ苦手だった」。「はげまし隊の魔法」の歌詞には、苦手な数学に取り組む自身に「明るい感じで接してくれてうれしかった。しゃべりやすかった」という隊員への感謝の気持ちを込めた。

 問題が解けずに悩んでいると、そっと出してくれた分かりやすいヒント。「それがあると、魔法のように問題がスラスラと解けた。そして解けたら褒めてくれるからモチベーションが上がった」という。

 高校生になった今も、数学は苦手。先生1人では見て回ることができない部分を、そっと支えてくれていたはげまし隊のありがたさは、支援を受けられなくなった今、より実感しているという。

 「はげまし隊は安心感を与えてくれる存在で、とても助けられた。私たちの時のように、これからも元気に活動してほしい」と願っている。

◆「はげまし隊の魔法」作曲者

山本満之さん(72)・延岡市古城町

支援する側、される側の詩を旋律に乗せ

 20歳ごろから続けている合唱。現在は、「ロブスター混声合唱団」の代表を、そして「ひむかグリークラブ」の団員として活動している。
もともと趣味で、サークルの歌を頼まれて作曲したり、合唱曲を編曲したりしていた。作曲を手掛けることになったのは、はげまし隊の隊員が出席する宴席で当時、理事長だった佐藤邦典さん(87)に「もし歌を作るときは作曲をやりますよ」と言ったことがきっかけだったという。

 いよいよ理事長を交代するという一昨年12月。自宅に、佐藤さんから一本の電話がかかってきた。「唯一、心残りがある。はげまし隊の歌をまだ作っていない。ぜひやっていただきたい」とのことだった。

 「随分前の、しかも(酒を)飲んだ勢いで言った言葉を覚えてくださっていた。びっくりした」と回顧。「ぜひやらせていただきます」と快諾し、選考委員の一人として歌詞選びから携わった。

 もともと1曲だけ作るはずが、支援する側の隊員が寄せた詩、支援される側の子どもが寄せた詩のどちらも評価が高く、2曲作ることになった。

 自身もはげまし隊歴10年のベテラン。山下さんの歌詞は言葉の気持ちがよく分かり、しかも弾むような、前向きな言葉がリズムよく並んでいるため、「詩を読んですぐに楽譜ができた」。

 一方、はげまし隊からの支援を「魔法にかかる」と表現した鈴木さんには、驚かされ、才能を感じたという。言葉数が多く、「なかなか難しかった」というが、2週間ほどたって、降って湧いたという旋律を楽譜に落とし込んだ。

 はげまし隊としての活動は先輩の誘いで始め、「孫が増えたような感じでかわいい。応援ができたらいいな」と続けてきた。1年生の数学で支援に入っているが、「本当は音楽にも入れたら、楽しいなと思うのですが」とにっこり。

 「孫を見守っている感じ。分かった時の喜ぶ顔を見るのがうれしい」と目を細め、授業では生徒にそっと寄り添い、優しいまなざしを向けた。


◆基本から丁寧に書写の授業支援

延岡書道協会−北方学園小で

 全教科に支援が広がる中、延岡書道協会(伊藤春華会長)による「書写」の授業支援が今年度から、延岡市立北方学園小学校(池野宗宏校長)で始まっている。

 きっかけは、同協会と市学校教育研修所国語部会が毎年1月に合同で開いている県北教育書道展。部会長の池野校長に伊藤会長から「子どものお手伝いができないか」と相談があったという。

 そこで「はげまし隊」として登録し、活動してもらえないかと打診。まずは北方学園小から始めることになった。

 小学3〜6年を対象に、伊藤会長や城戸裕行副会長らが「止め」「はね」「はらい」の基本から、清書した作品選び、筆の洗い方からしまい方まで、丁寧に指導している。

 その道を極めた先生からの指導に「今までで最高の字が書けた」と児童。池野校長によると、何よりも担任が喜んでいるといい、「教わると子どもたちがうまくなる。とてもうれしいし、ありがたい」と感謝する。

 「筆離れが進む中、書くことの楽しさを感じ、書道を習いたいという気持ちになってくれればうれしい。筆になじみ、正しい字が書けるようになってくれれば」と伊藤会長。5年生の女子児童は「詳しく教えてもらい、前よりしんにょうがうまくなった。楽しかった」と話していた。







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