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同性婚の必要性知って

本紙掲載日:2023-08-11
2面
エンクロスで開催中の「私たちだって〃いいふうふ〃になりたい展」

わたしたちだって〃いいふうふ〃になりたい展

◆九州初開催−13日までエンクロス

 同性婚、婚姻の平等について考えてもらおうと、「わたしたちだって〃いいふうふ〃になりたい展in延岡2023」が延岡市幸町の同市駅前複合施設エンクロスで開かれている。企画した当事者らでつくる市民団体QAIRの佐藤薫さん(33)は「実際に見ることで、興味を持ってもらえれば」と来場を呼び掛けている。13日まで。

 同展は、大阪のNPO団体「カラフルブランケッツ」が2021年に大阪で初開催。井上ひとみ理事長(44)によると、同性婚の法制化に向けた国の動きがなく、同性婚裁判が始まっても変わらない姿勢を目の当たりにし、「放っておいたらどのくらい時間がかかるか分からない。世間の人たちに同性婚の必要性を知ってもらい、世論から後押ししてもらえたら」と始めた。展示は予想を超える反響を呼び、これまで14の地域で開かれた。

 取り組みを知った佐藤さんは「延岡でもやりたいと思った。展示一覧表を見たら、『やるしかない』に変わった」。任意団体ハウリング(原田いくみ代表)の協力も受けて、準備してきた。

 佐藤さん自身、「静かにひっそり、と思っていた」が、今年2月、性的少数者や同性婚に対する元首相秘書官の発言を受けて抗議運動をしたことをきっかけに「行動できる人が動かなければ」と、気持ちに変化が生まれたという。

 会場には、戸籍上の性別が同じであることを理由に結婚できないことで生じる困りごとや世界各国との違い、安心して生きていくために必要な備えなどがパネルにまとめられている。

 また、当事者カップルが互いに宛てた手紙や、法的には結婚できないふたりの「結婚式」の写真も展示しており、「幸せな姿を見て、勇気づけられる人がいるのではないか。将来が不安な人もそのままで大人になれるし、幸せになっている人もいると気付いてもらえば」と佐藤さん。

 井上理事長は九州初開催に、「今まで見る機会がなかった人の目に留まり、多くの人に同性カップルの思いを知っていただければうれしい」とコメントしている。

 開場は午前8時〜午後9時。期間中の午前10時〜午後6時は「LGBTなんでも相談」も開催している。

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