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新型コロナ週刊トピック−感染者数、宮崎が全国で4番目

本紙掲載日:2023-07-08
2面

定点当たり9・66人−前週比33・7%増

 県の感染症週報第26週(6月26日〜7月2日)によると、県内で新たに確認された新型コロナウイルスの感染者数は定点当たり9・66人で、前週から33・7%増加しました。5日時点の入院患者は79人(前週比25人増)で、重症者はいません。

◆延岡・西臼杵「オレンジ圏域」に

 県内7医療圏域ごとの新規感染者数で、延岡・西臼杵圏域は定点当たり16・44人と前週(同8・78人)から倍増し、県が設定する注意喚起の区分は前週の「黄圏域」(基準値=定点当たり5人以上)から、初めて「オレンジ圏域」(同10人以上)になりました。

 日向・東臼杵圏域は前週の同9・17人から57・2%減少して同5・83人となりましたが、「黄圏域」が続いています。ほかに、西都・児湯圏域(同12・00人)が「オレンジ圏域」、宮崎・東諸県圏域(同9・50人)、都城・北諸県圏域(同9・20人)、小林・えびの・西諸県圏域(同5・25人)が「黄圏域」となっています。

 県内の定点医療機関から報告された新規感染者数の年代別割合は多い順に、10〜14歳が16%▼5〜9歳が15%▼15〜19歳が11%▼5歳未満10%▼30代と60代が各9%▼40、50代が各8%▼20代7%▼80代以上が4%▼70代3%でした。

◇延岡市、前週より172人増加

 延岡市が独自に集計している新型コロナの週報によると、先週1週間(6月26日〜7月2日)に協力医療機関から報告された新規感染者数は381人で、前週から172人(82・2%)増加しました。

 日別では、6月26日80人▼27日53人▼28日46人▼29日46人▼30日65人▼7月1日48人▼2日43人となっています。明らかに増加傾向となり、3日は116人、4日には105人と3桁の日も出始めていて、次週の週報はさらに増加幅が拡大する見込みです。

◇九州が感染拡大の中心に−延岡市、一気にピークか

 7日に厚生労働省が発表した全国の感染状況によると、1医療機関(定点)当たりの報告数は沖縄県が48・39人と突出し、次いで鹿児島県も13・48人、千葉県が9・89人で、宮崎県が9・66人と4番目に多くなりました。なお、前週は7番目の多さでした。

 全国平均は同7・24人で、熊本県が9・58人で全国5番目、佐賀県が9・44人で6番目に多く、九州が本格的に感染拡大の中心となってきました。特に沖縄県では、これまで若年層が中心だった感染が高齢者世代にも拡大し、入院先が見つからない「医療崩壊」が起こっているといいます。

 延岡市が独自に集計している感染者数は週を追うごとに倍増している状況です。1人から何人に感染しているかの指標となる実効再生産数も増減の分かれ目となる「1」を大きく超えて、この3週は1・4〜1・6と急増傾向を示す値が続き、さらに感染者数が増える見込みです。

 市内では独自の集計を開始した5月以降、「40〜65歳」の感染者が突出し、小児科が大半を占めるために子どもの割合が多かった県の定点把握とは年代別の割合が大きく異なっていたのですが、ここに来て同じような割合になってきました。これは全県的にまんべんなく感染者が増えていることを意味します。

 昨年夏の第7波、冬の第8波では、延岡市内で1日当たりの感染者数が100人を超える日が続くと、そこから一気にピークに向かっており、専門家も「すでに第9波に入ったことは間違いない」と指摘しています。

 入院調整などに当たっている佐藤圭創医師(延岡市新型コロナ対策アドバイザー)によると、第8波に比べて息苦しさを訴えたり肺炎を起こす感染者の割合が高いといいます。また、従来のせきや喉の痛み、発熱などの症状と並び、強い頭痛で受診して感染が判明する人が多いのも特徴的なのだそうです。

◇「危機感の共有を」

 感染拡大に歯止めが止まらない沖縄県では中核医療機関が夜間小児救急の受け入れを停止しました。ヘルパンギーナやRSウイルスなど別の感染症も急増して、平日の日中も多くの病院や診療所が受診を断らざるを得ない事態となっており、「医療崩壊」が深刻さの度合いを増しています。

 こうした状況に対し、延岡市医師会の佐藤信博会長は「県北でも同じことが起きうるという認識をぜひ共有してほしい」と訴えています。新型コロナの感染症状の区分が季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行したことで、市内も幅広い医療機関が新型コロナの診療に対応し、現在のところは通常通りに医療が回っています。

 ただ、慢性的に医療人材が不足している県北は、ひとたび感染が急拡大すれば一気に医療が逼迫(ひっぱく)します。特に、立ちゆかなくなる恐れが高いのが救急医療です。

 新型コロナの感染状況が落ち着いて以降、「熱が出たけど薬がない」「眠れない」「じんましんが出た」「便秘がつらい」など、不要不急な理由で救急通報したり夜間急病センターを受診する人が増えているといいます。

 佐藤会長は「タクシーのように救急車を呼んだり、夜間に〃コンビニ受診〃することは絶対にやめていただきたい」と強調し、普段から解熱鎮痛剤などの常備薬を用意し、夜間や休日に発熱しても一晩待って平日の日中にかかりつけ医を受診するなどの配慮を求めています。

◇独自集計データを公表−延岡市医師会

 延岡市医師会は、広く認識を共有しようと、これまで内部関係者のみで取り扱っていた新型コロナ感染者数の独自集計データを一般公開することとしました。医師会ホームページから閲覧できます。

 市内約8割の69医療機関から毎日報告される新規感染者数の集計で、1日ずつの値が数字と棒グラフで表示されるため、増減が一目で分かり、期間を区切って表示することもできます。

 また、画面左下の矢印で、色分けした県の定点観測値(県全体と医療圏域ごと)、延岡市内の新規感染者数と昨年同日の感染者数の比較を示したグラフのページにも切り替えられます。

 市医師会は「宮崎県や延岡市は毎週木曜日に前週の感染者数を公表していますが、行政の発表を待っているとタイムラグが生じることが懸念されます。できるだけ多くの市民の皆さまに現状を知っていただき、状況に合わせた感染対策を行っていただきますよう、本発表をご活用ください」と呼び掛けています。

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