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労災撲滅の意識新たに

本紙掲載日:2023-07-05
2面

興電舎安全大会−4年ぶり通常開催

 電気保全や計装保全業務、電気工事などを手掛ける興電舎(本社・延岡市浜町、甲斐稔康社長)グループは1日、延岡総合文化センターで安全大会を開いた。本社や支社、協力企業の社員ら約270人が参加、労働災害撲滅などの意識を新たにした。

 大会は、全国安全週間(7月1〜7日)に合わせて毎年実施している。新型コロナウイルスの影響で、この3年はオンラインや規模を縮小しての開催が続いていたが、4年ぶりに県内外のグループ社員が集まり、通常の対面形式で開いた。

 この日は2部構成で、第1部の安全大会では、総括安全衛生管理者の甲斐社長が「常に私たちの身近な所に災害などのリスクがある。謙虚な気持ちで現場に臨み、地道な活動で安全のつくり込みをしてほしい」とあいさつ。

 H(ひやり)H(ハッと)K(気がかり)の提案や5S(整理、整頓、清潔、清掃、しつけ)活動の取り組み、安全標語などを表彰したほか、同社が取り組む二酸化炭素排出量削減の成果発表、安全宣言、スローガン唱和などを行い、安全管理の徹底などを再確認した。

◆電気・発電事業の歴史野口遵の功績など語る−技術顧問の長谷さん

 第2部では、元東芝の首席技監などを歴任し、現在は同社の技術顧問を務める長谷良秀さん(85)=神奈川県川崎市=が講演。「電気の故郷延岡〜懐深き自然の恵みと先人達(たち)の足跡に思いを馳(は)せて」と題して、明治から大正時代にかけて発展した電気や発電事業の歴史、旭化成創業者の野口遵の功績などについて話した。

 長谷さんは、野口が携わった水力発電事業、日本窒素肥料延岡工場の創業に至った経緯、時代背景などを説明した後、「野口は肥料をたくさん作って、豊かな世の中にしたいと願った。そのためにも工場を造り、発電所、送電線などが必要と考えた。そこで五ケ瀬川、延岡に注目した」などと紹介。その上で、「工場と発電所をセットに考える実業家は当時、野口しかいなかった」と国内外で数多くの事業を手掛け、成功を収めた野口の発想を分析した。

 結びに長谷さんは「皆さんは自然に恵まれ、素晴らしい風土の中で仕事をしている。これまでの歴史をつなぎ、ますます発展してほしい」と期待を込めた。

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