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道具に感謝し、物故会員しのぶ

本紙掲載日:2023-04-20
6面

延岡日本舞踊協会が扇塚供養式典

 日本舞踊の道具に感謝をささげ、物故会員を供養する延岡日本舞踊協会(花柳慶次松会長)の「第34回扇塚供養式典」が15日、延岡市舞野町の舞野公民館であった。同協会会員のほか、4年ぶりに舞野地区の住民、市や市文化連盟の関係者らを招待し、約70人が参列した。

 下舞野神社の甲斐重興宮司が神事を執り行い、代表者が玉串をささげた。続いて花柳美知駒さんが御祝儀の長唄「豊」を、寿百重美里さんが「千代の寿」、藤貴寿秀さんが「芸道一代」、花柳慶ひなたさんが「鶴亀」、花柳慶恭平さんが「松の緑」の舞を奉納。会員が使っていた扇子などを供養する焼納は雨天のため中止となったが、甲斐宮司が後日行うという。

 直会(なおらい)では、花柳会長が「日本舞踊は精神力をつくるには素晴らしい芸事。着物を着ることに始まり、人間の心やこの世のすべてを表す表現力や空間を1人でも多くの方に伝えていきたいと思っています」とあいさつした。

 延岡日本舞踊協会は、延岡で日本舞踊の伝承に力を注ぐ人たちの研修錬磨の場として、1964年2月に設立。87年には、ヤマトタケルノミコトが行縢(むかばき)山に住むカワカミタケルを征伐した際に、住民と共に祝舞を舞ったとされる下舞野神社に扇塚を建立し、毎年供養を行っている。

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