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食と農、命の大切さ学ぶ

本紙掲載日:2023-04-17
2面

第15期生30人が入学−財光寺農業小学校

 農業体験を通して、自然の仕組みや農業の役割、生産者への感謝を学ぶ財光寺農業小学校(二見順雄校長)は15日、日向市財光寺の同校農場で第15期生入学式を開いた。新型コロナウイルスの影響で規模を縮小していたため、来賓を招いた従来通りの式は3年ぶり。

 同校は2009年4月、県内初の試みとして開校。地域の元教員や農業経験者などを「先生」、畑などの農場を「学びや」と呼び、児童らがさまざまな季節の野菜作りを体験。毎月第1、3土曜日を「登校日」として全員で活動し、その他の日もそれぞれが自主作業を行う。

 今年度は市内4校から小学3〜6年生の男女21人と、大人生徒9人の計30人が入学。式には保護者や指導スタッフ、入校生が通う学校長、行政関係者、地区役員らも出席した。

 冒頭、二見校長が児童代表の蜷川颯馬さん(財光寺小5年)に、自分たちが管理する「個人農園」に立てる木製ネームプレートを授与。続いて、来賓の十屋幸平市長は「農業で自然と触れ合うことは貴重な体験。たくさんの野菜を育て、おいしく食べてほしい」と激励した。

 児童を代表して、参加5年目の伊東大輝さん(日知屋東小6年)が「野菜を育てることは大変だが、収穫時に苦労が報われる。育てた野菜を食べる時が幸せ。1年間よろしくお願いします」と抱負。二見校長は「しっかりと汗を流し、自分たちで作った野菜を家族で食べてほしい。農業の苦労を実感し、食と農、命の大切さを学んでもらえれば」と話した。

 式後、児童らは畑に入り、自身のネームプレートが立つ個人農園に、ナスやスイカ、トマトの苗を植え付けた。今年度も11月までの8カ月間、野菜の育成、除草、収穫などに取り組むほか、収穫祭や発表会も予定している。

 同校は開校15年目、これまでの卒業生は約500人。世代間交流や子どもたちへの教育的効果が多方面から高く評価されており、11年度に「地域づくり総務大臣賞」、13年度に「夕刊デイリー明るい社会賞」を受賞するなどしている。

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