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今春、学生トップ級3人が旭化成柔道部に

本紙掲載日:2023-04-12
9面

超級・中野(天理)、90キロ級・中西(国士舘)、超級・千野根(筑波)


 延岡市に拠点を置く旭化成柔道部に今春、大学トップクラスの3選手が入部した。90キロ級の中西一生(国士舘大)、100キロ超級の中野寛太(天理大)と、千野根有我(筑波大)。3人は憧れだったという日本一の柔道部で腕を磨き、日本、世界の頂点を見据える。3人を紹介する。



◆毎日、きのうより強く−千野根有我・186センチ−大阪市

 新人で唯一、延岡を拠点に活動予定。「強い先輩ばかりで、付いていくのに必死だが、毎日、きのうより強くなっていき、自分より大きい選手を投げるパワーを付けたい」と語る。

 小学校に上がる前から、母の影響で地元の「田島柔友会」へ。幼少期から体は大きくサッカーや水泳も経験した。柔道は5年生までは、府大会2位が続いたが、6年時に優勝。全国大会にも出場した。

 進学した生野中では、3年時に全中個人優勝。その決勝で対戦したのが、同期になる中野だった。また、桐蔭学園高3年時のインターハイ団体決勝は、中野擁する天理と対戦。その時は敗れた。高校時代に、旭化成の延岡合宿参加。その時に「日本一のチームで、強くなることしかない環境。強くなって、(ここに)入りたい」と誓ったという。

 大学4年時は関東柔道選手権で優勝するなど、すでに2度、全日本選手権に出場。今年の全日本選手権での上位入賞が当面の目標で「日本一、世界で戦える選手」を見据える。



◆技を磨き、世界一へ−中西一生・178センチ−福岡県遠賀町

 全柔連B強化選手。社会人デビュー戦となった今月2日の全日本選抜体重別では準決勝で敗れたが「大きな応援を頂いた。先輩たちの取り組む姿勢もすごくて、柔道を強くなるための環境がそろっていると実感している」とうなずく。

 物心が付く前から、父も通ったという遠賀町青少年柔道クラブで競技を始めた。小学生のころは、県大会の1、2回戦で破れる選手だったという。中間東中から福岡大付属大濠高へ。

 地道に力を付け、名門の国士舘大では3年時に、全日本学生体重別で準優勝、4年時には同大会で優勝を果たした。入社の決め手は「トップクラスの選手が多く、その環境に身を置くことで、強くなり、世界一を目指せる」ことだったという。

 「スタミナを武器にしぶとく戦い、指導勝ちや延長で勝ち抜くスタイル。(右組みで)逆の技を含めて、ポイントを取れる技を磨きたい。まだ、シニアの大会で優勝がないので、しっかり日本一になり、世界選手権や五輪での金メダルを目指していく」



◆全日本制覇を柔道人生の軸に−中野寛太・182センチ−奈良市

 中学校から天理一筋。大学の先輩に当たる大野将平選手、羽賀龍之介選手、吉田優也現監督の名を挙げ、「小さい時から、目に付くのは旭化成の選手ばかりで、入社したいと決めていた。素晴らしい環境とサポートがあり、強くなるかは自分次第。環境に甘えず取り組んでいきたい」と語る。

 父、姉と2人の兄の影響で、5歳の時から桜井市柔道連盟に。小学5年時に個人全国5位、小学6年時に全国3位。天理中3年時は全中個人2位、天理高2年でインターハイ個人優勝、3年は同団体優勝を果たした。

 大学時代は個人で、ユニバーシアードと学生体重別2位、全日本体重別3位など。また体重別団体は主将として、29年ぶりの優勝に導いた。

 技の多彩さが持ち味とする一方で、「得意技を絞り、精度を磨くこと」を課題に挙げる。

 「柔道人生の軸」に置いているというのが、高校3年時に初出場した全日本選手権での優勝。その先に五輪や世界があると考えている。

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