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新型コロナ週刊トピック−九州が感染の主戦場に

本紙掲載日:2022-12-24
2面
季節性インフルエンザと新型コロナウイルス(オミクロン株)の特徴(佐藤圭創医師作成)
新型コロナウイルスとインフルエンザの受容体と感染病態の違い(佐藤圭創医師作成)

インフルエンザとの違い−

 新型コロナウイルスは「第8波」となる感染拡大が本格化し、本県を含む九州を中心に感染者が急増しています。今回は現在の感染状況と今後の予測、新型コロナと季節性インフルエンザの違いなどについてお伝えします。

◆全国的に第8波のピーク

 新型コロナの流行地域はこれまでの北日本や東日本から西日本へと移り、全国的に第8波のピークを迎えつつあります。

 直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は19日時点の都道府県別で、佐賀県が2番目(1295・4人)、熊本県が3番目(1209・6人)、大分県が10番目(1001・5人)の多さとなり、九州が感染拡大の主戦場となりました。宮崎県も同983人まで増えています。

 1人から何人に感染するかの指標となる実効再生産数は20日現在で、福岡県が1・12、宮崎、大分県も1・11と「1」を超えて、増加傾向を示しています。このうち、延岡市は1・24で、より急拡大の兆しを示す「1・20」を超えており、さらに医療が切迫すると危惧されています。

◇延岡市、医療崩壊の初期段階

 延岡市は1週間当たりの感染者数が前週から442人増加して1467人に達しました。これは2週前の約2倍、3週前の約4倍にも上っています。市内の医療は1週間で1000人を超えると負担が大きく高まるとされており、今後はさらに厳しい状況が続くと見込まれます。

 1日当たりで見ても、19日現在が363人で、第8波に入って最多を記録しました。県新型コロナ対策調整本部の佐藤圭創特任医師は、年末に続き2回目のピークが到来するとみられる年明けの成人式後には、市内だけで1日500人超に達すると予測しています。

 市内の新型コロナ専用病床はすでに、実質稼働できるベッドが60%埋まっているだけでなく、感染したり濃厚接触者となる医療関係スタッフも出始めており、「医療崩壊」の初期段階にあると言えます。

◇成人式前後、飲み会は要注意

 佐藤医師が前年の成人式シーズンに宿泊療養施設を利用した人の統計を分析したところ、入所者の多くが若者で、その7〜8割が成人式前後にグループで飲食をしていたことが分かりました。残る1〜2割は県外から帰省した若者だったということです。

 さらには、こうした若い世代の感染者から家庭内感染、最終的には高齢者施設のクラスター(感染者集団)などへと感染が拡大していたことも、疫学的(追跡)調査で明らかになっています。

 この世代はワクチン接種率が極端に低いのも懸念材料で、市や市医師会は「『自分は感染しても平気』と考えず、社会人の忘新年会を含め、大人数で大声を上げての飲食は避け、少人数で短時間など、ガイドラインに従って行うよう、ぜひともお願いします」と訴えています。

◇インフルよりはるかに驚異

 新型コロナを軽視する根拠として、一部に「季節性インフルエンザ(以下インフル)よりも重症化率、死亡率が低い」という情報がありますが、佐藤医師は「明らかに誤った考え方で、新型コロナはインフルよりもはるかに脅威」と断言しています。

 このことは厚生労働省の統計データが明確に示しています。データは、2017年以降にインフルと新型コロナ、その両方を含むすべての肺炎で死亡した人の数を抽出した記録です。

 同データを基に算出された60歳以上の致死率はインフルが多く見積もって0・55%だったのに対し、新型コロナは少なく見積もっても初期のデルタ株流行期が2・5%と圧倒的に高く、オミクロン株流行期も1・99%に上りました。

 重症化率はより差異が大きく、インフルは多くて0・79%だった一方、新型コロナは少なく見てもデルタ期が5・0%、オミクロン期でも2・49%と、明らかに上回っています。

 さらに、死者数は新型コロナがインフルを圧倒的に上回ります。死者数の推移を表したグラフで見ると、インフル感染に伴う肺炎の死者は毎年、一定数いるものの、新型コロナが20年に国内で初確認されて以降、同感染症の割合が肺炎死者の多くを占めるようになったことは歴然です。

 重症化率や致死率は一見低いようでも、これだけ感染が広まれば確実に重症者、死者も増えるため、佐藤医師は「感染症は割合(%)ではなく、総数が問題」だと強調しています。

◇新型コロナは全身に影響

 それでは、インフルと新型コロナとの主な違いはどこにあるのでしょうか。まず、免疫を持たない集団の中で1人の感染者から何人に2次感染するかを表す「基本再生産数」はインフルが1・4〜4であるのに対し、新型コロナは5・5〜24で明らかに強い感染力を持っています。

 潜伏期間はインフルが1〜4日で平均2日、新型コロナは2〜14日で平均2・5日ですが、問題なのは他者に感染させやすい時期がインフルは〃発症後〃、新型コロナが〃発症前1〜2日〃であることです。

 ウイルスが多い場所もインフルは鼻腔(びくう)や咽頭粘膜ですが、新型コロナは舌や唾液のため気付かないうちに飛沫(ひまつ)感染で伝染しやすくなります。

 病態も、インフルは主にウイルスによってもたらされる炎症が鼻や喉などの上気道のみに起こるため、重症化しにくいとされます。

 これに対し、新型コロナは過剰な免疫反応で、粘膜、血管、筋肉、神経などさまざまな部位で発症する可能性があり、肺から全身に広がるとウイルス性肺炎や血栓、梗塞、臓器障害などにより重症化しやすいといいます。しつこい後遺症も、社会的な問題となっています。

◇現在の主流は喉の激痛

 全国的に新型コロナの感染速度は第7波を上回ってきており、BQ・1系統を中心に急速なウイルスの置き換わりが進んでいると考えられます。

 現在の特徴的な症状の一つが「喉の激痛」です。佐藤医師によると、感染で死滅した粘膜細胞の老廃物が炎症を加速させ、扁桃(へんとう)腺肥大を起こしやすい人では喉がふさがるのではないかというほど腫れ上がるといいます。

 このため、食事はおろか水さえ飲めない激痛に襲われ、医療機関では点滴患者が急増している状況です。ただ、冷やしたゼリー飲料なら摂取できるという患者は多いそうです。

 喉の痛みは平均4、5日続くといい、佐藤医師は「より早く治すためにはラゲブリオなどの新型コロナ治療薬とステロイド投与が有効」と話しています。

 市医師会はこうした投薬治療を推奨していますが、医療機関によって判断が異なるため、希望者には受診時に「喉の痛みが激しく何も食べられない」と明確に投薬治療を希望するよう勧めています。

 一方、この時期は感染することを前提に、解熱消炎鎮痛剤やゼリー飲料などを備蓄しておくことも呼び掛けています。



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