秋に咲くヒマワリ見頃

多田さん６年ぶりに植栽−延岡市松山町

　冷たい秋の風に吹かれながら、延岡市松山町の畑で、季節外れの「ヒマワリ」が見頃を迎えている。場所は、旧・高千穂鉄道西延岡駅跡から、北に２００メートルほど離れた地点。台風などの影響もあり、サイズは、通常よりかなり小ぶりだ。

　多田定光さん（７２）＝同市北浦町三川内＝が知人の畑を借りて、種を植えた。「まさか、こんなに咲くとは」と本人もびっくり。「普通よりも小さい〃ミニサイズ〃ですが、これはこれでかわいらしい。ぜひ、たくさんの人に見てほしい」と呼び掛けている。

　２０１４年から、北浦町内の休耕田約８０ヘクタールを活用してヒマワリを育てていた多田さん。６年前に脳出血で倒れ、入院してからは、一切種を植えていなかった。

　植栽を再開したきっかけは、長男の慎二さん（２２）が草刈りしていた松山町の同畑を見たこと。雑草が生い茂る様子が、整地し始めた当初の北浦の休耕田の風景に重なり、「ヒマワリを植えてみるか？」と提案した。

　中学の頃から作業を見ていた慎二さんは喜んで協力。９月初旬に機械で土を耕して種を植え、周囲を鹿よけのテープで取り囲むとみるみる成長。４０日ほどで無事開花した。

　今後、さらに気温が低下することから、多田さんは「おそらく今週いっぱいが見頃」と予想する。「ヒマワリを植えると、見に来てくれる人がいるからうれしい」と朗らかな表情で花畑を見つめ、「（植栽は）来年以降も続けていきたい。空き地があれば、どんどん拡張していって、久しぶりに北浦にも植えたいですね」と前向きに話していた。